抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本総説では,1960年代以降の琵琶湖の水質および魚介類において調査対象となった代表的な農薬について使用状況および検出状況の変遷あるいは濃度推移の取りまとめを行った。1963年に琵琶湖のシジミについてHCH類およびDDT類の濃度調査が始めて行われた。1966~1976年には琵琶湖北湖のイサザについて同様の調査が行われ,1975以降には琵琶湖のフナおよびウグイについてHCH類,DDT類,クロルデン類等のモニタリング調査が実施されてきた。1975年に実施された琵琶湖・淀川水系水質におけるHCH類の濃度調査により,琵琶湖全域における異性体比率の順位がβ>α>γ>δであり,通常の海域や河川で認められる順位のα>β>γ>δと異なり,β体の占める割合が75%と高いことが明らかにされた。1960年代には日本でかなりの量のPCPが水田用主力除草剤として使用され,1962年には琵琶湖沿岸全域で魚介類の大被害が起こった。1965年には新たな除草剤としてCNPが農薬登録され,滋賀県においては1966年から使用されるようになった。これを受け1963~1987年に琵琶湖北湖で採取されたイサザについてCNP濃度の調査が行われた。1955-1986年に日本で農薬登録され,現在も滋賀県で継続使用されている殺虫剤(ダイアジノン,フェニトロチオンおよびフェノブカルブ),殺菌剤(イプロベンホスおよびイソプロチオラン)および除草剤(モリネート,ブロモブチド,シメトリン,メフェナセット)について,2000~2014年に琵琶湖で実施された水質および魚介類の濃度調査データをとりまとめた。(著者抄録)