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J-GLOBAL ID:201802235323783246   整理番号:18A2026879

アナログセンサ応用のための薄いTa/Ru/Ta/Ru下地層を用いた磁気トンネル接合における交換バイアスピン止め層のアニーリング安定性の向上【JST・京大機械翻訳】

Enhanced annealing stability of exchange biased pinned layer in magnetic tunnel junctions using a thin Ta/Ru/Ta/Ru underlayer for analog sensor applications.
著者 (8件):
資料名:
巻: 2018  号: INTERMAG  ページ:発行年: 2018年 
JST資料番号: W2441A  資料種別: 会議録 (C)
記事区分: 原著論文  発行国: アメリカ合衆国 (USA)  言語: 英語 (EN)
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MgOベースの磁気トンネル接合(MTJ)は,ハードドライブヘッドと磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)のようなスピントロニクスデバイスのための重要な要素技術である。さらに,MTJの大きなトンネル磁気抵抗(TMR)効果のために,磁場センサ[1],電流センサ,角度センサなどのアナログセンサ応用におけるMTJの利用に大きな関心がある。MTJの新しいアナログセンサ応用において,MTJは磁歪センシング層[2]を用いることにより歪センサとしても役立つことが報告されている。これらのMTJ歪センサは,マイクロ電気機械システム(MEMS)技術と組み合わせることにより,様々な種類の物理センサに適用でき,著者らは最近,MTJ歪センサを利用した新しいMEMSマイクロホンを報告した。上記のように,MTJを用いたアナログセンサ応用の可能性の範囲は大きく拡大しており,MTJ素子の信号対雑音比(SNR)の更なる改善のための強い要求がある。アナログセンサにおいて高いSNRを得るためには,高いTMR比だけでなく,低い1/f雑音をもつことが重要である。アニールはMgO障壁層の結晶性を向上させるのでTMR比を改善するのに効果的であり,アニーリングがMgO障壁雑音[4]を減少させるのに有効であることも報告されている。したがって,これらの効果を高めるためには,より高いアニーリング温度が望ましい。しかし,一般的にアナログセンサ応用に使用されている交換バイアスされたピン止め層を持つMTJの場合には,過剰な高温アニーリングが交換バイアス場(H_ex)の劣化を引き起こす。この劣化は有効TMR比を減少させ,ピン止め層[5]から生じる磁気1/f雑音を増加させ,従って高温アニーリングの採用に対する障害を作り出す。本研究では,アナログセンサ応用のためのMgO-MTJにおける交換バイアスされたピン止め層のアニーリング安定性を改善することを目的とした。したがって,反強磁性IrMn層の結晶性を増強することに焦点を当て,IrMn層の結晶性と交換バイアスされたピン止め層のアニーリング安定性に及ぼす下層構造の影響を調べた。下地層/IrMn7/CoFe2.5/Ru0.9/CoFe3/MgO1.8/CoFeB4/Cu1/Ta2/Ru20(ナノメータで示された層厚)から成るMTJを作製した。一般的なTa1/Ru2下層(Tr-UL)の2種類の下層構造を調製した。そして,改良されたTa1/Ru2/Ta2/Ru2下層(TRTR-UL)。図1(a)および(b)は,380°CでアニールしたTRTR-UL(TRTR-MTJ)を用いたTr-UL(TR-MTJ)およびMTJを有するMTJに対するR-H曲線を示した。Fig1で見られるように,TRTR-MTJはTR-MTJのそれらと比較してより大きなH_exandより大きなTMR比を示し,200Oeで測定した雑音レベルの周波数依存性を適合させることにより推定したHoogeパラメータαを用いて,これらのMTJの雑音レベルを評価した。両MTJの推定α値を図1(a)と(b)で示した。TRTR-MTJに対する200Oeにおけるαの値はTR-MTJに対する値よりも低かった。したがって,磁気1/f雑音は,交換バイアス場の高いアニーリング安定性のためにTRTR-ULを用いることによって明らかに改善される。両MTJの微細構造を明らかにするために,断面高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)と電子エネルギー損失分光法(EELS)を行った。図1(a)と(b)のインセットは,420°CでアニールしたTR-MTJとTRTR-MTJに対してHRTEMとEELSの結果を示し,図形中の固体線はMnのEELS強度を示す。これらの結果は,Mn拡散がTR-MTJとTRTR-MTJの間で全く異なることを確認した。TR-MTJでは,MnはIrMn層からピン止め層へ拡散し,一方,TRTR-MTJでは,IrMn層から隣接層へのMn拡散はほとんどなかった。TR-MTJとTRTR-MTJが異なるMn拡散を示す理由を調べるために,両MTJに対するIrMnの結晶度をX線回折測定により解析した。結果として,TRTR-UL上のIrMnの結晶度は,Tr-UL上のそれと比較して明らかに改善されることが分かった。さらに,Tr-ULとTRTR-ULの詳細な構造を調べた。TEM測定と高速Fourier変換測定(FFTM)分析を用いて,TRTR-ULにおける各層の詳細なd間隔を確認した。図2から,TRTR-ULにおける第一Ta層と第二Ta層が異なるd間隔を有することを確認することに成功した。Ru層上に堆積した第二Ta層は,(110)組織化α-Ta構造と高結晶性に対応するd間隔を有し,一方,第一Ta層は(110)組織化α-Ta構造の成分を持たなかった。これらの結果は,Ta-on-Ru構造がTRTR-UL上に処理されたIrMn層の高い結晶性の原因であり,小さなMn拡散による高いアニーリング安定性をもたらすことを示している。したがって,Ta/Ru/Ta/Ru構造は,MTJアナログセンサ応用において高SNRを実現するための下層として有望である。Copyright 2018 The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.【JST・京大機械翻訳】
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分類 (1件):
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図形・画像処理一般 

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