鹿児島県鹿児島市における公共データを活用した空き家の分布把握  自治体の公共データを活用した空き家の分布把握手法に関する研究(その1)

秋山祐樹; 上田章紘; 大野佳哉; 高岡英生; 木野裕一郎; 久冨宏大

文献

J-GLOBAL ID：201802235326912618 整理番号：18A0556915

鹿児島県鹿児島市における公共データを活用した空き家の分布把握自治体の公共データを活用した空き家の分布把握手法に関する研究(その1)

MONITORING OF SPATIAL DISTRIBUTION OF VACANT HOUSES USING MUNICIPAL PUBLIC DATA IN KAGOSHIMA CITY, KAGOSHIMA PREFECTURE A study on the estimation method of spatial distribution of vacant houses using municipal public data (Part 1)

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資料名：
巻： 83 号： 744 ページ： 275-283(J-STAGE) 発行年： 2018年
JST資料番号： Y0894A ISSN： 1340-4210 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：日本 (JPN) 言語：日本語 (JA)

主要な調査手法は実地調査を介して目視検査を伴うので,広範囲な地域に亘る空き家の空間的分布に対する地方自治体のモニタリングには,多大な労力,時間とお金を必要とする。このことは,地方自治体が空き家の数を測定する手段を開発する場合には大きな障害である。空き家調査に必要とされる費用と労力を減らすべく,さま様な空間データと目標地域全体の実地調査の替りに目標地域の部分についてのサンプル実態調査を使い,空き家の空間分布を推計する手法を開発した。目標地域は,図1に示す鹿児島県,鹿児島市の都心であった。第2章では,表3で示した空き家と非空き家の基準にしたがって,実態調査を介して空き家の空間分布を発見した。これは,図1と表2に示した3,134の戸建ての建物を含むサンプル実地調査地域において行われた。表4は,サンプル実態調査における実態調査の結果を表している。表はこれらの地域に,174の戸建て空き家があることを表している。3章では,実態調査の結果,デジタル住宅地図をはじめに統合するため,空き家データベースを開発した,市の公的データ,住民基本台帳,閉鎖消火栓情報及び建物登録情報を含めた。第二に,表5で示す空き家データベースを使って,公的データの存在もしくは欠如に基づいて,空き家の数と戸建て建物に対する建物利用の比率を計算した。各500平方メートルのグリッド内の空き家の数はこれらの(数)値を適用して推計される。最後に,表6に基づいて全ての戸建て建物に対する空き家スコアを計算した。戸建ての建物は,500平方メートルグリッドごとに空き家の数に合うまで,空き家スコアの下降順に空き家スコアとして割り当てた。スコアは,世帯一人当たり少人数と建築面積,高齢住民の大きな比率,住居の最大と最少の継続期間,及び建設年の初期で,より大きくなる傾向がある。この手法を使って,目標地域における空き家の空間分布が推計される。加えて,この手法の信頼性を立証した。我々は,サンプル実地調査地域において実態調査でモニターした実際の空き家を数え,500メート四方と250メートル四方で集め,この手法で計算した空き家の推計値と比較した。表7は,500メートル四方のケース及び,表8は250メートル四方グリッドのケースの比較結果を表している。両セットの結果は,実際値と推計値の間に意味がある差がないことを示した。これは,本研究で提案した手法が空き家の空間分布を正確に示している。4章は,目標地域,すなわち鹿児島市の都心における空き家の空間分布の推計に対する結果を導いた。図7に対する図4は,空き家数の推計結果と500メートル平方グリッドと街区に総合した比率を表している。その結果は,1,740の戸建て建物が空き家だったと推計した,目標地域における32,448の戸建て建物のうちで,5.36%が空き家だった。我々の手法は,その目的に従い,空き家の数とその比率を空間単位に総計して推計することができる。(翻訳著者抄録)

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都市計画の調査分析,分析手法

引用文献 (11件)：

1) Asami, Y. : Toshi No Kuukanchi Akiya Wo Kangaeru (Study of Vacant Land and Vacant House in Urban Space), Progress, 2014 (in Japanese)
浅見泰司 : 都市の空閑地・空き家を考える, プログレス, 2014
2) Nagashima, O. : “Akiya” ga Mushibamu Nihon (Vacant houses undermine Japan), Poplar Shinsyo (in Japanese)
長嶋修 : 「空き家」が蝕む日本, ポプラ新書, 2014
3) Yusa, T., Goto, H., Kurauchi, D. and Murakami, K. : Vacant Houses and Their Management in Hilly Rural Areas: A Case Study in Hayakawa Town, Yamanashi Prefecture, Journal of Architecture, Planning and Environmental Engineering (Transactions of AIJ), Vol. 71, No. 601, pp. 111-118, 2006.3 (in Japanese)
遊佐敏彦, 後藤春彦, 鞍打大輔, 村上佳代 : 中山間地域における空き家およびその管理の実態に関する研究山梨県早川町を事例として, 日本建築学会計画系論文集, 第71巻, 第601号, pp. 111-118, 2006.3
4) Katayama, N., kaido, K., Murakami, S. and Maeda, K. : The Study on the Sustainability of Suburban Housing Areas Focusing on the Conditions of Blank Lots and Empty Houses: Case study at Kani City and Tajimi City where are located in Nagoya region (Transactions of Association of Urban Housing Sciences), Vol. 2006, No. 55, pp. 70-75, 2006 (in Japanese)
片山直紀, 海道清信, 村上心, 前田幸栄 : 空き地・空き家実態からみた郊外住宅団地の持続可能性についての考察名古屋都市圏・可児市と多治見市における事例調査より, 都市住宅学, 第2006巻, 第55号, pp. 70-75, 2006
5) Nakai, S., Kana, K. and Sakuma, Y. : Research on Actual Condition of Existing Vacant Houses and Study on Possibility of Utilizing them as "Spaces for Disaster prevention" in the Densely Built-up Area: The Case of Tsuruhashi Area in Osaka City (Transactions of CPIJ), Vol. 47, No. 3, pp. 1063-1068, 2012.10 (in Japanese)
中井翔太, 嘉名光市, 佐久間康富 : 密集市街地における空き家の実態とその「防災空間」としての活用可能性に関する研究大阪市鶴橋地区を対象として, 都市計画論文集, 第47巻, 第3号, pp. 1063-1068, 2012

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鹿児島県鹿児島市における公共データを活用した空き家の分布把握 自治体の公共データを活用した空き家の分布把握手法に関する研究(その1)

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