Hagama the kama with wing and Kamado the cooking stove made from ultra thin cast iron The inheritor of ”Washoku; traditional dietary cultures of the Japanese” for next generation
鋳物羽釜は,禅と茶の湯の精神を受け継ぎ,日本の食文化になくてはならない米を,美味しく炊き続けて800年ものあいだ生き残ってきた調理器具だ。そこで筆者らは,あえて鋳造品の鋳肌にこだわり,1合炊きの鋳鉄製羽釜に挑戦した。古来の鑪(たたら)溶解の流れをくむキューポラ溶湯と,新開発低臭気・低不良砂を使用したシェルモールドとを組み合わせることで,最少肉厚3 mm の鋳鉄製羽釜・竈(かまど)の鋳造に成功した。1合のご飯が固形燃料1つで炊き上がる。この羽釜が,素材の味わいを活かす,日本人の伝統的な食文化の新たな担い手となることを願っている。(著者抄録)