抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2016年熊本地震は活断層の再活動により起こり,断層に沿って甚大な被害を引き起こした。地震断層はよく知られた布田川-日奈久活断層に沿ったばかりでなく,かつて活断層がないと確認されていた益城町の市街地域の地表部に明らかに現れた。この未知の地震断層の詳細を明らかにし,被害との関係を考慮ことが地震防災にとって不可欠である。本論文では益城町の地震断層の分布を明らかにし,地震断層と変動地形との関係を議論し,次いで地震断層の分布を建物被害に関する既往の研究データと比較して,地表断層と建物被害との関係を調査した。結論として,(1)地震断層は布田川断層の主な痕跡から市街地までの約5kmで明瞭に連続している,(2)断層は東から西へ分岐し,約70cmの変位は西部の端でもなお維持されている,(3)地震断層は益城町の市街地域に新たに確認された変動地形に沿って位置している,(4)町の活断層の平均横ずれ速度はもしかしたら1.8mm/年よりも大きいと評価される,(5)もし2016年の活動が断層にとって特徴的であれば,再発間隔は1000年より少なく計算される,(6)建物損害変位量が10cmを超える断層近くでは建物損害は厳しくなる傾向にある。(翻訳著者抄録)