抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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免震建物が強い長周期で長継続時間の地震動に曝されるとき,鉛入り積層ゴム支承(LRB)などの免震装置は,従来の構造設計で予期されるより大きくより繰返しの変形を受ける可能性がある。LRBにおいては,地震入力エネルギーは鉛プラグのヒステリシスエネルギーとして吸収され,最終的に熱エネルギーに変換される。LRBの大きく複数の繰返し変形が多量の熱を発生させ,鉛プラグの高温の原因となる。複雑な熱的および機械的現象を含む減衰特性の結果として生じる劣化は,免震建物の応答に悪影響を与える可能性がある。LRBの熱-力学相互作用挙動をシミュレートするとき,2つの重要な要件がある。1番目はエネルギー吸収による鉛プラグの温度上昇を評価することであり,2番目は,それが引き起こす機械的性質の変化を評価することである。本論文では,LRBの熱-力学相互作用挙動を考慮した応答解析法について述べた。差分法を適用した熱伝導解析と簡単な解析モデルの構成を提案した。また,従来の実験結果のシミュレーション解析に基づいて,鉛プラグの温度と降伏応力との関係を提案した。解析のため,鉛プラグの温度上昇の計算における吸収エネルギー分布の影響を,鉛プラグの等価温度の評価に及ぼす影響と共に調査した。提案した方法を用いたシミュレーション解析結果を従来の実験結果と比較し,提案した方法のLRBのサイズに関わらない妥当性を検証し,鉛プラグの配置と荷重条件を提案した。提案した解析法は,LRBの熱-力学相互作用挙動を評価するために適用される。この方法は,長周期で長継続時間の地震動によって引き起こされる繰返し変形の下で,LRBを用いる免震建物の損傷評価にとって有用である。(翻訳著者抄録)