抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2018年7月5日から7日にかけて西日本の様々な地域において,台風Prapiroonが梅雨前線に向かって暖かく湿った空気を供給したため連続的な豪雨が生じ,多くの災害を引き起こした。気象庁はこの台風を「平成30年7月豪雨」と命名し,その被害地域は西日本から北海道にかけて広範囲にわたった。関西地域では,人的被害を含む深刻な土砂災害が発生した。そこで砂防学会関西支部の有志は,兵庫県と京都府での現地踏査を実施した。京都府の綾部市では,多くの細粒堆積物と高い保水性を有する厚い土層で斜面崩壊が発生した。3日間で170mmの降雨があった直後の時間30~50mmの降雨によって地下水位が上昇したため,かなり大規模な斜面崩壊が生じたと推定された。京都府福知山市の谷河川では,右岸の斜面崩壊によって天然ダムが形成された。天然ダムの上流で水位監視が行われているが,天然ダムの決壊の危険性には注意が必要である。兵庫県の神戸市では,多くの地すべりや土石流が発生し,広範囲にわたり氾濫や堆積の被害が生じた。幸いにも人的被害はなかったが,いくつかの堆積土砂は土砂災害警戒区域外にまで広がった。宅地開発によって渓流幅がより狭くなり地形が改変されるため,宅地における土砂災害の危険性を予測し,実現することは困難となっているが,我々は有効な対策を考える必要がある。(翻訳著者抄録)