抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
微小粒子状物質PM
2.5が日環境基準値を超過する事例は季節によらず発生してきたが,春や晩秋・初冬の事例の典型的な発生機構は解明が進んでいるのに対して,夏の高濃度発生機構は事例解析にとどまり総括的な解明が十分にはなされていない。本稿では2010年度以降に急速に拡充されてきた常時監視局のPM
2.5時間値データを利用し,関東首都圏を中心に中部および西日本の主要都市圏も併せ都府県規模で濃度挙動を解析した。光化学オキシダントOxの挙動にも注目した。東京では2010~2015年の7~8月中に,大多数の局でPM
2.5環境基準超過が2~6日連続する高濃度事象が6回発生した。それらは海風系が発達する好天日で,しかも気圧傾度が地衡風にしておおむね西風5m/s以下の静穏な期間が集中することを契機としていた。同様の静穏条件であっても,地衡風が南風傾向のときは高濃度事象は不発であり,後方流跡線の観点では前者が西日本を経由して関東に達するのに対して後者は関東の東方から南に回り込んで到達していた。このような事象の発生条件は総観規模の気圧配置によるもので,関東のみに閉じたものではなく,中部日本やさらに西日本にもかなりの程度共通している可能性がある。(著者抄録)