抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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有機材料および高分子は,それらの加工性,柔軟性,軽量,低コストなどの多くの利点のお陰で,現代社会を支える広く重要な材料である。良好な物理的,電気的,機械的,熱的,および/または光学的特性を持つ材料を創製することの強い要求があるが,このことはたった一つまたは純粋な成分から構成される材料を用いて達成するのはしばしば困難である。この観点において,無機ナノ粒子(NPs)の有機高分子へのハイブリッド化が,過去二十年スポットライトを受けてきた。全てのタイプのハイブリッド化の中で,最も挑戦的で先進的な課題の一つが,透明度,屈折率,色性,および熱光学係数といった好ましい光学特性の追及である。材料の混濁度を大きく増す光散乱は,異なる屈折率を持つ各成分を分散状態で混合する時,避けがたい。最近,酸化ジルコニウム(ZrO
2)が,その高い屈折率(N
D=2.1~2.2),化学的不活性,物理的強度,およびUV-NIR範囲での透過率のお陰で注目されている。そこで,ZrO
2NPは,高い屈折率および透過率を持つハイブリッド材料の創製のための,光学強化剤の一つの候補である。ZrO
2NPsと高分子とのハイブリッド化に関する幾つかの研究が,過去十年報告されてきた。本レビューにおいて,高結晶性ZrO
2ナノ粒子(NPs)を含む高透明性有機無機ハイブリッドバルク材料の製造のための,多様で有望な有機無機ハイブリッド化法を記述した。開発された二つの重要な方法は,元は水中に分散され凝結および/または凝集無しで高分子連続相へナノ分散した,ZrO
2NPsの表面処理,疎水化,および機能化である。ユニークで魅力的な表面処理法が証明され,ここではZrO
2sの水からトルエンへの疎水化および相転移が同時に達成された。トルエン中の透明性表面改質ZrO
2ナノ分散が,水,トルエン,およびメタノールから構成される三成分溶媒混合物からの,温和な溶媒交換によって得られた。表面処理剤としての4以上の炭素原子を持つカルボン酸の添加が,この疎水化を可能にした。乾燥後の表面処理ZrO
2s粉体が,幾つかの有機溶媒およびビニル単量体において,溶解またはナノ分散の能力を有した。更に,厚さ10mmの光学的透明PStおよびPMMAハイブリッドバルク材料を,多ビニル架橋剤としてメタクリレートZr
2NPsを持つ代表的ビニル単量体としてスチレン(St)またはメチルメタクリレート(MMA)の共重合によって製造した。更に,この方法は,ZrO
2sとエポキシベース高分子のハイブリッド化に適用された。それらの屈折率およびAbbe数は,Lrentz-Lorenz有効媒質膨張理論によって定量的に記述された。それらの透過率も,Fresnel屈折,Rayleigh散乱,およびLambert-Beer理論を用いて合理的に説明された。本方法は,無機および有機材料から構成される種々の透明ハイブリッド材料のための有望な候補を提供した。(翻訳著者抄録)