抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,種内のメスの嗜好の変化が注目されている。しかしながら,ほとんどの種のメス個体がどのようにして配偶者選択を変えるかは不明である。本研究で著者らは,グッピー,Poecilia reticulataのメス個体における配偶者選択嗜好の変化を調べた。これは,ナイーブな交尾経験のないメスを,7日間にわたりオスの装飾性の異なる2つのオスの群に曝露することによって行われた。オス曝露処置群は,(1)主にオレンジ色の大きな斑点を有するオスと,(2)主にオレンジ色の小さな斑点を有するオスから成っていた。各処置の後,著者らは,オレンジ色のスポットパターンが異なるデジタル的に修正された一対のオス像を用いて,大きなオレンジ色の斑点を有する明るい色のオスに対するメスの好みを測定した。著者らの結果は,配偶者選択嗜好の変化のパターンが若いメスと老いたメスの間で異なっていることを示した。主にオレンジ色の大きな斑点を持つオスに暴露された後,若いメスはオス全体の画像にもっと引き付けられ,明るいオスの画像が好まれた。具体的には,オレンジスポットパターンのオスとの差が大きいオスの群に曝露された場合,若いメスは明るいオスに対して,より強い好みを示した。しかし,老いたメスでは,オス暴露処置と処置の順序の両方がメスの好みに影響した。これらの結果は,社会的構成要素,すなわち装飾が豊富なオスとメスの年齢構造の両方が,性的選択の方向と強度に影響を及ぼすことを示唆している。(翻訳著者抄録)