抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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後期メッシニアン期の間,古地中海に蒸発岩が広く堆積し,この出来事はメッシニアン期の塩分危機と呼ばれる。南東スペインのソルバス盆地は,前期メッシニアン期の間には大西洋と古地中海を結ぶベティック海路の近くに位置していた。したがって,この盆地の下部メッシニアン階の堆積物はメッシニアン期の塩分危機に先立つ海洋学的変化を記録していることが期待される,本研究では,この盆地における古海洋学的変化を復元するために,浮遊性および底生有孔虫の炭素および酸素同位体比の層位変化を検討した。ソルバス盆地産の浮遊性有孔虫の炭素および酸素同位体比はともに0~2.0‰と,大西洋での浮遊性有孔虫の炭素および酸素同位体比に近い値を示す。この類似は,盆地が大西洋からの表層水に覆われていたことを示唆する。一方,この盆地における底生有孔虫の炭素および酸素同位体比はそれぞれおおよそ-1‰から-3‰程度の減少および1‰から4‰への増加傾向を示し,そして両同位体比は地中海からの底生有孔虫の同位体比に近い値であった。この類似は,この盆地の海底が古地中海の中央および東部で生成された中層および深層水によって覆われていたこと,および塩分の増加のために中層および深層水は停滞したことを示唆する。(著者抄録)