抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本レビューは,火星の内部構造,その推定組成,並びに火星の核に特別な焦点をあててその組成から生じる予測された地震学的特性についての知識をまとめたものである。核に重点を置くのは,硫黄が豊富な場合に適度な圧力での鉄の液相図の珍しい形態から生じたものである。実験的研究から構築されたかなり詳細な液相図から,火星の核内で作用する可能性のある一組の過程を,核-マントル境界面からの鉄の「雪」とFe
3-xS
2「地上霧」が核の基部を形成しているものと特定した。温度とバルク硫黄組成に依存してこれらは内核を形成することができ,または外核では硫黄をその中に富化させることによって成層化させ,またはその両方が起きている。核の成層化は,惑星の歴史の初期に火星の磁場が消滅したことの一つの説明であり,このメカニズムの実現可能性を実証する。核内における結晶化過程は地震データで観測することができ,それは将来の火星物理学ミッションであるInSightが提供することが予定されている。核の大きさ,内核の存在,および外核の波速分布(その半径方向の微分量が組成の変化の代理値を提供する)が追求すべき重要な観察対象である。(翻訳著者抄録)