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J-GLOBAL ID:201802276280942362   整理番号:18A1061245

睡眠要求の分子基盤に関する定量的リン酸化プロテオーム解析

Quantitative phosphoproteomic analysis of the molecular substrates of sleep need
著者 (30件):
資料名:
巻: 558  号: 7710  ページ: 435-439  発行年: 2018年06月21日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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睡眠と覚醒は,分子レベルの変化および神経活動からシナプス可塑性まで,脳の生理機能に広範囲の影響をもたらす。睡眠・覚醒の恒常性は,覚醒中に蓄積し睡眠中に消散する睡眠要求(眠気)によって維持される。今回我々は,睡眠要求の増加した断眠マウスとSleepyマウスに対して,定量的リン酸化プロテオーム解析を行い,睡眠要求の分子基盤について研究した。断眠は,脳プロテオームに累積的なリン酸化亢進をもたらし,それは睡眠中に減衰する。Sik3遺伝子に機能獲得変異を持つSleepyマウスは,睡眠量が増加するにもかかわらず,恒常的に高い睡眠要求を示す。Sleepyマウスの脳プロテオームは,断眠マウスの脳と類似した過剰リン酸化を示した。我々は,Sleepyマウスと断眠マウスとを比較し,80種類の睡眠要求指標リン酸化タンパク質(sleep-need-index phosphoprotein;SNIPP)群を突き止めた。SNIPPの多くはシナプスに存在し,それらのリン酸化状態は,睡眠要求の変化と密接に相関していた。変異型SIK3タンパク質であるSLEEPYは,SNIPPに優先的に結合して,それらをリン酸化した。SIK3キナーゼ活性を阻害するとSNIPPのリン酸化が低下した。さらにSIK3キナーゼ活性の阻害は,Sleepyマウスでも野生型の断眠マウスでも,最もよく知られた睡眠要求の測定可能な指標であるノンレム睡眠中の徐波活動を低下させた。我々の結果は,睡眠要求と関連してSNIPPのリン酸化の蓄積と消散が起こることを示唆しており,SNIPPのリン酸化は睡眠要求の分子シグネチャーである。覚醒中に,シナプスの増強により記憶が形成される一方,睡眠中は,記憶が固定されるとともに,広範囲に興奮性シナプスが減弱することでシナプス恒常性が回復する。従って,SNIPPのリン酸化と脱リン酸化のサイクルは,シナプス恒常性と睡眠・覚醒恒常性の両者を司る主要な調節機構だと思われる。Copyright Nature Japan KK 2018
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分類 (2件):
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JSTが定めた文献の分類名称とコードです
動物生理一般  ,  中枢神経系 

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