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J-GLOBAL ID:201802276437354058   整理番号:18A1625858

赤米色素ポリフェノールの分子構造と貯蔵中における構造変化の解明

著者 (1件):
資料名:
巻: 33  ページ: 145-150  発行年: 2018年08月 
JST資料番号: L0547A  ISSN: 2188-0662  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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赤米は有色米の一種であり,果皮・種皮の部分にタンニン系の赤色系色素であるプロシアニジン類を含んでいる。赤米の登熟過程において,色素成分は徐々に生合成されることが知られているが,収穫後の貯蔵期間に濃色化現象が観察されている。しかし,そのメカニズムはおろか化学構造すら不明である。我々はこの現象がプロアントシアニジン類の空気酸化による劣化現象であると推定しており,カテキン2量体を用いたモデル酸化反応により分子内結合を有する新たな化合物の単離に成功している。しかし濃色化による300~500nm付近の吸収量の増大は,カテキン2量体酸化物の生成による吸収量の変化で説明するには不十分であった。我々は,カテキンの重合度の増大が酸化反応に起因する結合様式の多様性に影響を与えると推測し,新たなモデル化合物を設計し調製法を検討した。次に,それらの酸化反応を行い,HPLC分析を行ったところ新たにピークa~kが生成し,その生成量は反応時間の増大により変化することが明らかとなった。HPLC-ESI-MS分析の結果,酸化生成物の各ピークはいずれもm/z 861[M-1]-,863[M-1]-を示し,分子内で新たな結合が生じていることが示唆され,保蔵期間が長くなるにつれて,プロアントシアニジン類が高分子化するのではなく修飾あるいは変換を受けている可能性が示された。さらに,酸化生成物の300~500nm付近の吸収量の増大はカテキン2量体よりもカテキン3量体の方がはるかに大きいことが明らかになった。(著者抄録)
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分類 (4件):
分類
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食品の化学・栄養価  ,  穀類とその製品一般  ,  芳香族単環フェノール類・多価フェノール  ,  酸化,還元 
引用文献 (7件):
  • Chen, M. H., Choi, S. H., Kozukue, N., Kim, H. J., Friedman, M. : Growth-inhibitory effects of pigmented rice bran extracts and three red bran fractions against human cancer cells : relationships with composition and antioxidative activities, Journal of Agricultural and Food Chemistry, 60, 9151~9161, 2012.
  • Itani, T., Tatemoto, H., Okamoto, M., Fujii, K., Muto, N. : A comparative study on antioxidative activity and polyphenol content of colored kernel rice, Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi, 49, 540~543, 2002.
  • Hayashi, S., Yanase, E. : A study on the color deepening in red rice during storage, Food Chemistry, 199, 457~462, 2015.
  • Hayashi, S., Nakano, K., Yanase, E. : Investigation of color-deepening phenomenon in catechin- ( 4 → 8) -dimer as a proanthocyanidin model and structural determination of its derivatives by oxidation, Food Chemistry, 239, 1126~1133, 2018.
  • Jan, A. D., Daneel, F., David, G. R. : Synthesis of condensed tannins. Part 9. The condensation sequence of leucocyanidin with ( + ) -catechin and with the resultant procyanidins, J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1, 1711~1717, 1983.
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