抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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角田・弥彦断層の沖合い延長とその断層伝播褶曲を,高分解能地震探査と堆積層解析の組み合わせに基づいて研究し,それらの完新世活動を評価した。ブーマーソナー(13測線)による高分解能多チャンネル地震探査と,チャープソナー(3測線)による高周波地震探査は,断層線とその延長を横切って走り,最後の低海水準期後に形成された層序遷移の鋭いイメージを提供した。観測された遷移における断層伝搬褶曲の東翼における進行性変形を明確に認識し得た。地震地層の実際の年代を決定するために,2つの沖合ボーリングと2つの振動コア採取調査によって得られた堆積コアからの放射性炭素年代を測定した。10.8kaと4.7kaの間の地層の変形に基づいて,平均垂直滑り速度が2.1m/kyであると判明した。一方,筆者らは,断層の上部と下部の両方での蓄積速度の時間的変化を調査した。蓄積速度の動的変化は,最後の10.8kyの間に少なくとも3つのイベントがあり,期間中の平均垂直滑り速度は3.0m/kyであったことを示した。筆者らの研究のもう一つの焦点は,断層の最新の活動である。断層伝搬褶曲について,筆者らは,チャープソナー地震探査によって得られたプロファイルに基づいて,明らかな断層変形を伴った2.1ka以前の変形を伴わない0.9kaより若い最上部地層を識別した。これらの観測は,最新のイベントが0.9kaと2.1kaの間で発生したことを示している。さらに,2.1kaの変形地層に関する構造解析は,最新の「単一」活動における断層の上下変位量が約7.5mであったことを示した。本研究は,平均滑り速度,活動履歴,最新イベントのタイミング,および断層の活動当たりの関連地表変位を含む活断層に関するパラメータのセットが,一連の沖合活断層調査から詳細に説明できることを成功裡に示した。(翻訳著者抄録)