抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,新しいセルロース材料として,ナノフィブリル化セルロース(NFC)が注目されている。NFCは,植物からのセルロース微細繊維の物理的および/または化学的処理(すなわちトップダウンプロセス)により生成され,均一な水懸濁液として得られる。BCは天然でナノファイバ構造を示すので,酢酸菌(Gluconacetobacter)培養条件を最適化して,ワンステップボトムアッププロセスでバクテリアNFC(NFBC)の生成が可能である。CMC(カルボキシメチルセルロース)を添加した培地において好気性撹拌によりセルロース生産細菌(Gluconacetobacter intermedius NEDO-01)を培養することによりカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いたNFBC(CM-NFBC)の調製に成功した。優れた流動性,成形性を有するCM-NFBCは幅広い用途がある。水中での高収率と分散性にもかかわらず,CM-NFBCは有機溶媒中で直ちに凝集する。その適用性を広げるために,CMCの代わりにヒドロキシエチルセルロース(HEC)またはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を添加した培地において,NEDO-01株を培養することにより両親媒性NFBCを調製した。透過型電子顕微鏡分析により,得られた材料(それぞれ,HE-NFBCおよびHP-NFBC)は,それぞれ33±7nmおよび42±8nmの直径を有する比較的均一な繊維から成ることを明らかにした。HP-NFBCはメタノール,アセトン,イソプロピルアルコール,アセトニトリル,テトラヒドロフラン(THF)およびジメチルホルムアミドのような極性有機溶媒中で分散可能であった。本論文では,酢酸菌によるセルロース合成とNFBCの大規模生産についても紹介する。(翻訳著者抄録)