抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,居住に不可欠な機能の数と分布に関する考察に基づいて,伝統建築物のグループに対する重要な保護区(重伝建地区)における可能性のあるライフスタイルを明らかにすることを目的とした。さらに,上記のライフスタイルと地域に対する都市計画との対比から,住環境としての地域の都市認識の議論と全体的な傾向について,分析によって地域に関連する問題を導き出すことを目的とした。第一に,地域からの歩行距離内で生活するのに必要な施設の位置を,機能による6種類の施設の定義に基づいて,あらゆる地区に対して同定した。同定によって,すべての施設は61の地区に位置し,一方,そのような施設が完成していないいくつかの地区があるが,特定の世代には十分であることが明らかになった。そして,2つの地区には施設が存在しない事例を認識した。第二に,第三次産業における先制的雇用機会を,住民に雇用を提供する隣接地域が15km以内に位置する密集居住地区(DIDs)に関連して,あらゆる地域について調査した。その結果,DIDはほとんどの場合に地域近くに位置することが明らかになった。結果は,そのような地区に住む住民が都市域で働くことができることを示している。反対に,18地区の居住者に対しては,長距離のため,DIDsを勤務場所として選択することはほとんどない。生活施設の立地と雇用機会に関する上記の調査を考慮すると,関連地区は5つのタイプに分類される。これらの類型を市町村によって公表された「一般計画」と対比すると,生活場所として地域を開発する計画をした地域の数は全地域の数に比して小さいが,その地域(タイプIとして分類)で生活するのに必要な十分な施設と雇用機会を持つ市町村が少ないことがわかった。しかし,生活場所とされない数個の地区でも,生活する条件をその町並みを変えずに提供できる可能性がある。したがって,このような地区を所有する市町村は,関連地域の境界条件の観点からそのような計画を準備する可能性があると考えられる。一方,施設と雇用を欠く自治体(タイプII,IIIとIVと分類)は,タイプIにおけるものと殆ど類似する計画を発表してきており,地域の実際の条件をほとんど理解せず,一定の世代,例えば高齢家族と子供のいる若い家族を対象の住民として焦点を合わせているとしても,地域の実際の条件をほとんど理解していない。より注意深い処理と適切な条件の把握により,生活環境に対する地域の利用を実現するために,いくつかの自治体により多くの機会がある可能性があることを意味している。以上によると,結果として地域の都市認識と,重伝建地区の計画による生活環境としての可能性を持たない実態との間に矛盾がある。これらの議論により,柔軟性と広い視点を持って地域と町並みを利用するための行動が必要である。そのような行動を通じて様々な利用法が認識されれば,市町村は単に文化財を保存しているだけでなく,人口減少の歴史的な町並みを行動的な生活場所として計画するであろう。(翻訳著者抄録)