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J-GLOBAL ID:201802289738744679   整理番号:18A1418187

樹状高分子を用いた塗布型熱活性化遅延蛍光材料の開発と高効率有機EL素子への展開

Development of Solution-processable Thermally Activated Delayed Fluorescence Dendrimer for Efficient Organic Light Emitting Diodes
著者 (2件):
資料名:
号: 32  ページ: 11-18  発行年: 2018年06月 
JST資料番号: L5491A  ISSN: 0919-3383  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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レアメタルを使用せずに三重項励起子を発光として取り出すことの出来る材料として近年熱活性化遅延蛍光(TADF)材料が注目を集めている。本研究では塗布可能なTADF材料としてカルバゾールデンドリマーに着目した。カルバゾールデンドリマーはHOMOとLUMOが分離した電子構造を有することから適切なアクセプターと結合することでTADFを示す。加えて,デンドリマーは分子量が大きいことから結晶性が低く塗布によって有機EL素子に必要な非晶性の薄膜を作製できる。カルバゾールデンドリマーを用いた有機層全塗布型有機EL素子が作製可能であるかを検討した。カルバゾールデンドリマー(GnPh,n=2,3,4,Fig.2)薄膜に対してエタノール溶媒をスピンコートしたところ高世代なデンドリマーほどエタノールへの溶解性が低いことが示された。リン光性イリジウム錯体であるIr(ppy)3をドープしたG3Ph,G4Ph薄膜上にTPBiを塗布製膜してITO/PEDOT:PSS(70nm)/GnPh-5wt.%Ir(ppy)3/TPBI(40nm)/Ca(10nm)/Al(80nm)という構成の有機EL素子を作成して評価した。最大外部量子効率(EQEMAX)はG3Phをホストに用いたときに10.5%に達したことから一重項励起子だけではなく三重項励起子もイリジウム錯体のリン光という形で取り出していることが明らかとなった。高効率なデンドリマー型TADF材料の開発を目指して,ベンゾフェノン部位をアクセプターとするドナー・アクセプター分子を検討した(G2B,G3B)。ニート薄膜のPLQYを測定したところG2B(33%),G3B(21%)と比較的高い値を示した。この発光がTADFによるものかどうか検討するために発光寿命測定を行ったところG2B,G3Bニート薄膜のいずれもナノ秒オーダーの短寿命成分とマイクロ秒オーダーの長寿命成分の2つからなる減衰曲線が得られ,長寿命成分がTADFに帰属された。ITO/PEDOT:PSS(ca.70nm)/PVK(ca.20nm)/GnB/TPBi(ca.40nm)/Ca(10nm)/Al(80nm)という素子構成でTPBiまでの全ての有機層を塗布製膜した有機EL素子を作成して評価した。最高外部量子収率は5.7%(G2B)を記録した。カルバゾールとトリアジンを組み合わせたドナー・アクセプターデンドリマーに関して,高効率化と全塗布型有機EL素子への適用を目指して末端構造の変化させた新規デンドリマーを合成した。ニート膜のPLQYは40%(MeG2TAZ),45%(tBuG2TAZ),49%(PhG2TAZ),9.1%(dbG2TAZ)となった。dbG2TAZ以外は無置換G2デンドリマー(G2TAZ,52%)とほぼ同じ水準であった。発光がTADFによるものかどうか検討するために発光寿命測定を行ったところdbG2TAZ以外のニート薄膜はいずれもナノ秒オーダーの短寿命成分に加えてマイクロ秒オーダーの長寿命成分の2つからなる減衰曲線が得られ,長寿命成分がTADFに帰属された。TADFを示した3種のデンドリマーに加えて無置換のG2TAZを用いて有機EL素子を作成した。ITO/PEDOT-PSS(70nm)/PVK(poly-vinylcarbazole,20nm)/dendrimer(20-25nm)/TPBi(40nm,)/Ca(10nm)/Al(80nm)という素子構成でTPBiまでの全ての有機層を塗布製膜した有機EL素子を作成して評価した。最高外部量子収率は6.0%(G2TAZ),9.4%(MeG2TAZ),9.5%(tBuG2TAZ),8.2%(PhG2TAZ)となった。この素子は電流上昇に伴って効率が低下するロールオフも小さくtBuG2TAZを使用した素子では100cd/m2の輝度でも9.4%という外部量子効率を示した。(著者抄録)
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分類 (3件):
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有機化合物の薄膜  ,  有機化合物・錯体の蛍光・りん光(分子)  ,  発光素子 

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