抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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農研機構東北農業研究センターは,1910年(農事試験場陸羽支場)から100年以上水稲の品種育成を行い,1924年(農事試験場奥羽試験地)から育成系統に奥羽番号を付与している。奥羽番号の遺伝的多様性を把握し,今後の品種育成戦略を検討することを目的として,奥羽系統364系統・品種の家系分析を行った。年代毎に祖先品種との近縁係数をみると,1950年以前は,「信州金子」,「新関取」の近縁係数が高かったが,1950年以降は急減し,代わって「旭」,「上州」が導入されたことがわかった。奥羽系統は,祖先品種の合計で近縁係数が0.7以上となった。1950年以降に育成した221系統・品種について相互の近縁係数を計算した結果,奥羽系統間で最も近縁係数が高い品種は「トヨニシキ」であった。クラスター分析を行い分類した結果,祖先品種との近縁係数が低い傍流の品種群と祖先品種との近縁係数が高い主流の群に分類され,主流の群は「ササニシキ」との近縁係数が高い食用品種群と「ふくひびき」との近縁係数が高い加工用・飼料用品種群に大別できることがわかった。近縁係数と農業形質との関連を調べることで,今後の育種戦略を考察した。(著者抄録)