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J-GLOBAL ID：201902210027493037   整理番号：19A1821205

宮古市田老地区における津波後の残存クロマツ防潮林での立木枯死

Death of trees in the salty wind protection forest of Pinus thumbergii Parl. remaining after the tsunami in Tarou district of Miyako City

著者 (6件)： 橋本良二 (放送大学岩手学習センター) ,  浅賀瑞穂 (岩手大学農学部) ,  野中穂 (岩手大学農学部) ,  秋山あゆみ (岩手大学農学部) ,  白旗学 (岩手大学農学部) ,  中北理 (森林総合研究所)
資料名： 東北森林科学会誌(Web)  (Tohoku Journal of Forest Science (Web))
巻： 21  号： 2  ページ： 71-77(J-STAGE)  発行年： 2016年 
JST資料番号： U1630A  ISSN： 2424-1385  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 田代川沿いの防潮林帯残存部に,長さ76m,幅38mの調査区を設けた。調査区内の198本の残存立木は,林地土壌の海水浸漬により2011年夏から葉枯れが進み,翌年の2012年11月には150本が枯死と判定された。その後,枯死木の発生は少なくなり,2013年で9本,2014年で4本で,2015年には見られなくなった。立木生存率は,調査区内の場所で異なり,2012年11月時点で上流側区域で38%,河口側区域で4.8%であった。土壌は,前者では礫が多く礫間に粗砂がゆるく入った層が,後者では砂に腐植や粘土の混入した堅い層が厚く堆積し,透水性あるいは保水性にちがいがあると見られた。また,胸高直径階別本数分布は,生存木では大径木(上層木)側に,枯死木では小径木(下層木)側に偏っていた。これらのことから,立木の生育水分環境や生育光環境に依拠した生理特性とくに耐乾性のちがいが,立木の生存・枯死に影響したのではないかと推察した。(著者抄録)

シソーラス用語： 岩手県 ,  クロマツ ,  *保安林 ,  樹木 ,  *枯死 ,  林木 ,  塩害 ,  土壌化学特性 ,  生息環境 ,  土壌物理特性 ,  土壌水 ,  大地震 ,  大津波
準シソーラス用語： 2011年東北地方太平洋沖地震 ,  宮古市 ,  枯死木 ,  森林立木 ,  *防潮林

分類 (2件)： 自然災害  (FC04020J) ,  森林植物学  (FF02020E)

引用文献 (29件)：

• Bolte, A., Rahmann, T., Kuhr, M., Pogoda, P., Murach, D. and Gadow, K. (2004) Relationship between tree dimension and coarse root biomass in mixed stands of European beech (Fagus sylvatica L .) and Norway spruce (Picea abies (L.)Karst.). Plant and Soil 264: 1-11.
• 土壌環境分析法編集委員会 (1997) 土壌環境分析法. 427pp, 博友社, 東京.
• 原口暢朗・北川厳・友正達美・嶺田拓也・瑞慶村知佳・若杉晃介 (2012) 宮城県を中心とした東日本大震災による水田の津波被害状況と今後の課題について. 土壌の物理性 121: 11-17.
• 星野大介・坂本知己 (2014) 東北地方太平洋沖津波における海岸林の破壊状況と防潮機能の実証ー三陸北部沿岸地域ー. 森林立地 56: 7-19.\n
• 蒲谷肇 (1981) 生育の悪い海岸砂丘クロマツ林の施肥による改善とその生産生態学的研究. 東京大学農学部演習林報告 70: 11-80.

タイトルに関連する用語 (8件)： 宮古 ,  地区 ,  津波 ,  残存 ,  クロマツ ,  防潮林 ,  立木 ,  枯死