抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本は,世界各地に比べて,地震,台風,大雨の自然災害が多い.水害が発生した場合,多くの食品は水に浸かり,押し潰される.そのような事態になると,防水性がなく,軟弱な包装食品は食べられなくなる.濡れても,汚れても,缶詰は洗浄すれば食べられる.缶詰は備蓄食として優れている.しかし,缶詰となっているデザート食品の種類は少ない.甘くて硬い食感に比べ,甘くて滑らかな食感の方が「安心感」や「癒され感」が生み出されることが,明らかとなった.チョコレートには,「リラックス効果」がある.防水性と保存能力を有し,「癒され感」と「リラックス効果」をもたらす生チョコレートの缶詰製造を試みた.滑らかな食感とするため,ミルクチョコレート(カカオ分35~40%)150gに生クリームを100mlの割合で添加し,ガナッシュを作った.それを缶に充填,巻締後にレトルト殺菌機を用い121°C・6分間の高温加熱処理と冷却を行い,生チョコレート缶詰を作った.水分活性から,生チョコレート缶詰の熱処理は,低温での加熱で十分であると考えられた.しかしながら,高温加熱処理は,生チョコレートの滑らかさを高めた.さらに,高温加熱処理は低温加熱処理に比べ,保管時の生チョコレートの滑らかさ品質の安定化に効果的であった.生チョコレート缶詰を,3カ月間,4°C(対照)と35°Cで保管した.20人のパネルによる保管缶詰の「総合的な評価」を調べた結果は,両者の間に有意差はなかった(危険率5%).35°C・3カ月間保管品は,パネルに受け入れられた.高温処理法の最適条件は検討中だが,レトルトの新たな利用法が見出されたので報告する.(著者抄録)