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J-GLOBAL ID：201902218509552660   整理番号：19A2435143

小学校理科に於ける重さとSI

Weight and SI in Elementary School Science Classes

著者 (6件)： 荒川悦雄 (東京学芸大学教育学部自然科学系) ,  VOEGELI Wolfgang (東京学芸大学教育学部自然科学系) ,  小杉聡 (上智大学理工学部) ,  小林晋平 (東京学芸大学教育学部自然科学系) ,  鴨川仁 (東京学芸大学教育学部自然科学系) ,  鴨川仁 (現在,静岡県立大学グローバル地域センター)
資料名： 日本理科教育学会理科教育学研究  (理科教育学研究)
巻： 60  号： 1  ページ： 107-117(J-STAGE)  発行年： 2019年 
JST資料番号： L6042A  ISSN： 1345-2614  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 重さ,重量,重力の大きさ,及び質量についての最近の法的な単位規制を紹介し,重力単位系時代からの慣例も踏まえて,現行の小学校の理科及び算数で取り扱われている重さの意味及び単位について調べた。義務教育諸学校は計量法に則した計量単位及びその記号に国際単位系(SI)を教科書採用している。小学校第3学年の理科及び算数に於いては重さを質量の意味とともに重力の大きさの意味で導入し,定量の際の単位には質量のグラムあるいはキログラムを使用している。小学校第6学年の算数では重さという用語はそのままで,質量という用語は導入されず国際キログラム原器による質量の定義の説明がなされている。学習指導要領によって小学校の重さという用語にグラムあるいはキログラムという単位を使用することは,教育上の観点から教育段階に配慮した対応と考え,発達段階に応じた概念の分化とされている。この状況はSIに代わる前の重力単位系による記述に似る。中学校以降ではSIの定義の通りに重さは単位をニュートンに変更して重力の大きさの意味に限定するとともに,新たに単位をキログラムとする質量の概念が導入され,重さと質量の違いを概念の違いとして区別する。現行カリキュラムでは重さの意味と単位は小学校から中学校に進学すると変わる。これらが変わる事は科学的な知識を連続的に積み上げていく学習の観点からは改善の余地がある。これに対して本稿は二通りの解決策を提案する。解決策の一案は,小学校にて重さを計測するための感覚表現と学術用語とを分けることにし,質量の用語を導入することである。解決策の別案は,小学校卒業以降も重さは質量の意味に留め,現在は重さと同義語とされる重量の方を重力の大きさの意味に限定することである。これらいずれかの提案によって,義務教育諸学校にて一貫した用語と単位を使い続けることができる。(著者抄録)

シソーラス用語： *学校教育 ,  *科学教育 ,  思考 ,  重量 ,  質量 ,  単位 ,  成長 ,  児童発達 ,  国際単位系 ,  *教育
準シソーラス用語： SI単位系 ,  概念形成 ,  初等中等教育

著者キーワード (6件)： 重さ ,  SI ,  キログラム ,  weight ,  SI ,  kilogram

分類 (1件)： 科学技術教育  (AA04000C)

引用文献 (47件)：

• 有馬朗人ほか57名(2012)文部科学省検定済教科書『理科の世界 1年』大日本図書,中学校理科用,4大日本,理科722, 179.
• 伊藤浩史(2018)「中学校における「質量概念の形成と発展」」『理科教室』第763巻,第61号,58.
• 浦邉悦夫(2009)「「重さ」と「質量」をどうとらえ,どう教えるか-高校物理の課題として-」『理科教室』第651巻,第52号,18.
• 浦邉悦夫(2018)「高校で「重さ(質量)」をどう学び,どう教えるか」『理科教室』第763巻,第61号,63.
• 大政光史(1998)「重量と質量,化学と物理」『化学教育ジャーナル(CEJ)』第2巻,第2号.

タイトルに関連する用語 (2件)： 小学校理科 ,  Si