抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2018年の大阪府北部地震(M
j6.1)は,右横ずれ断層と逆断層の破壊によって引き起こされた。地震は大きさは中程度であったが,人口密度の高い大阪大都市域の北東部に深刻な被害を引き起こした。震央地域は東向き走向移動断層と北向き逆断層の接合部に位置している。地震の地質環境をより良く理解するために,地形・地質データと共に公表された地震反射断面と重力基盤構造図の統合解析を行った。有馬-高槻構造線断層帯が,地形学的に地表で追跡できるよりもさらに東に約9km広がっていると解釈した。また,枚方撓曲が,南東に傾斜する逆断層として淀川の下で北東に広がることを見出した。有馬-高槻構造線断層帯と枚方撓曲の北東延長に囲まれた地域は,淀川地溝と呼ばれている北東方向の地溝であることを示している。2018の地震は地溝の下で発生したが,破壊した断層は重力基盤には影響を及ぼさなかった。以前に知られていない活断層の同定には,大阪平野の高度に都市化された地域における断層の更なる地質学的・地球物理学的研究が必要である。(翻訳著者抄録)