抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,高知県は全国一の備長炭生産地となっているが,原料であるウバメガシの資源量が減少している。持続的な備長炭の生産には今後,ウバメガシ以外のカシ類(主にアラカシ,以下「カシ類」という)の利用を増やす必要がある。しかし,カシ類を原料とした場合,収率と品質の高い炭の割合が低下することが確認されており,カシ類の利用は敬遠されている。そこで本研究では,カシ類を原料とした備長炭(以下,「カシ備長炭」という)の収率や品質を向上させるための製造方法について検討した。収率(乾重量比)は,カシ類を原料とした場合,製造方法を改良しても17%程度でウバメガシと比較すると2~3%程度低かった。品質は,ウバメガシがA区分(高規格品)割合69.7%と最も高かった。一方,カシ類は乾燥工程初期の時間を延長してしっかり乾燥することで,「通常」の54.8%から66.7%にA区分割合が増加したが,木くべ時の原木含水率が低いとA区分割合が低下する傾向が見られた。そのため,カシ類を利用する場合は伐採後,原木の含水率が低下する前にできるだけ早く窯に入れる,あるいは,カバーをかけたり,木口を水に浸けておくなど,乾燥を抑制した含水率の高い原木を窯に入れ,その後,乾燥工程で十分に乾燥することが望ましいと考えられる。(著者抄録)