抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1960年代後半から1990年代に掛けて北海道で広く実施されてきた地がき(かき起こし)は林床のササを大型機械で除去する更新補助作業である。道内では主伐期を迎えたトドマツ人工林の低コスト再造林施業として,地がきで造成するカンバ材生産林業が提唱されている。今後地がきによるカンバ林造成を大面積で展開するにあたっては,林地の持続性に関する検討が不可欠であり,過去の地がきによる土壌理化学性への攪乱影響とその残存状況を明らかにすることが重要である。そこで本研究では1970~1990年代に筋状地がきを行った24林分を対象に,地がき帯と残し帯の表層0-5cmの鉱質土壌の土壌理化学性を調査した。地がきによる表層土壌理化学性への改変影響は地がきから15~41年経過したレーキドーザ筋状地がき地でも検出された。地がき帯では残し帯に比較して有意に小さい全炭素・全窒素濃度と有意に大きい細土容積重が認められた。CN比については処理によるわずかな減少が認められたが,林分間のばらつきが著しく,地がきの影響は微小と考えられた。立地要因の中では火山灰地域/非火山灰地域の違いによる有意な効果が認められ,非火山灰地域では火山灰地域に比較して有意に小さい全炭素・全窒素濃度と有意に大きい細土容積重が認められた。さらに非火山灰地域の林分では地がき帯と残し帯の差異はより大きく,地がきによる土壌攪乱が顕著になる傾向が示唆された。(著者抄録)