抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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化石クジラ骨を含む直径1m以上の石灰質コンクリーションが,2005年の日高町,波恵川の河川改修工事中に漂石として発見された。これまでにこのコンクリーションは,それぞれRouxia californica帯とLipmanella redondoensis帯の珪藻と放散虫群集を産出し,7.7~7.4Maの年代を示唆することが報告されている。この年代はコンクリーションの産出地近くに分布している上部中新統から更新統の荷菜層の年代範囲と一致している。しかし,波恵川に沿って露出する堆積岩に対する生層序データが非常に少ないために,コンクリーションの元の位置はまだ知られていない。元の産出地を決定するために,河川に沿って地質を調査し,堆積シーケンスに対する珪藻類の生層序を調査した。荷菜層の珪藻質泥岩と砂質泥岩から採取した研究試料の大部分は豊富な化石珪藻を含んでおり,荷菜層はDenticulopsis dimorpha帯からNeodenticula kamtschatica帯までの上部中新統帯状累層を含むことを示している。クジラ化石産出地近くの河床露頭は,Denticulopsis dimorpha帯に属し,Rouxia californica帯に対比される露頭は,クジラ化石産出地から約1.5km下流に位置している。大きな岩石が自然に上流へ長距離動くことは起こりにくく,したがって,クジラ化石の元の産出地は解明されていない。(翻訳著者抄録)