抄録/ポイント：
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
強磁性(FM)化合物UGe
2(大気圧でT
Curie=52K)は,P
c=1.1GPaの圧力下で超伝導になり,P
c=1.6GPa以上で常磁性(PM)相に入るまで超伝導であることが2000年に発見されたが,そのような可能性は40年前に理論により強調された事実があったとしても,驚きである。新しい物質(URhGeとUCoGe)が引き続き探索されて,大気圧で超伝導(SC)と強磁性の共存の発見がもたらされた。さらに,UCoGeでは,SCはP
c=1.1から4GPaまでのPM領域で生き残ることが分かった。その新規性は,SCがFM領域内の深いところで出現するが,強いFM揺らぎをもつことである。磁場(H),圧力,及び1軸応力の極端条件下の低温実験に焦点が合わせられた。NQRとNMRの実験は,スピン動力学とCooperペアリングとの相互作用を理解するユニークなツールである。著者らは,常伝導相の準粒子ドレッシングの知識(繰り込んだバンド質量,m
B+FM揺らぎから生じる余分なドレッシング,m
**)からSC特性を示すことを選択した。UGe
2には,異なるFMとPMの基底状態カスケードのFermi面(FS)再構成とそれらの磁気揺らぎの間に強い相互作用が存在する。同様の現象はURhGeとUCoGeで起こるが,ちょっと見ただけでは,SCはFM揺らぎに駆動されるように見える。これら二つの化合物のFM相互作用が弱いため,FM副格子磁化(M
0)に対するそれらの磁場方位に依存した磁場走査に特異な特徴を観察する機会が得られた。最小の秩序モーメントを持つUCoGeに対して,縦磁場走査(H∥M
0)から,FM揺らぎの劇的な減少が起こり,これが上部臨界磁場の上向き曲率のようなSC特性へ直接,影響することを示すこととする。横磁場走査(H⊥M
0)により,Curie温度T
Curieは抑制される。その結果,FM揺らぎが高まり,その結果,SCが強化される。Ising FMのUGe
2とUCoGeの2つの例とは対照的に,URhGeの特異性は,強磁性をc軸またはb軸に沿った選び方の間で磁気結晶項が弱いことである。最も注目する特徴は,磁化のc容易軸からb軸へH
RでHがスイッチする各側でリエントラントSCが検出されたことである。すべての実験結果から,これらの3つの物質のSCがFM揺らぎに起源があり,揺らぎはFM状態の磁気励起の振幅モードであることを示す証拠が得られた。FM超伝導体でスピン3重項ペアリングが予想され,実際にUCoGeのSC状態のKnigtシフト測定で観測された。それらの魅力的な(P,T,H)相図は現在良く確立している。もちろん,新しい世代の実験は,それらのSC秩序パラメータを得ることにより,微妙な効果を解明するであろう。UGe
2のFSは実験では良く決定されているが,URhGeとUCoGeのFSは不十分にしか決定されておらず,そのためバンド構造計算との定量的な比較はできない。現在まで,角度分解光電子放出分光法(ARPES)測定では,Fermi準位の電子バンドのフレーバーしか得られていない。様々な理論方法が,実験家が発見した様々な現象をどのように記述できるか議論した。トポロジカル超伝導体の新しいホットな主題を追及して,UCoGeに対する提案を行った。これは,野心的な研究者にとって大きな課題である。(翻訳著者抄録)
