抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,正方形平面による現代住宅建築の構成における修辞性を明らかにすることである。正方形は,4つの側面が互いに等しく,4つの軸と中心に対して対称であるという特殊性を持っている。まず第一に,「4つの側面の間の比較」と[4軸と中心による測定]を,特殊性から正方形平面による住宅建築の構成の原理として定義した。「4つの側面の間の比較」は,同じ幅の4つの立面を通して,開口部の配置と庇の形状を調べることである。この自己参照システムにより制御された要素間の関係によって,立面の構造的表現が達成される。[4軸と中心による測定]は,壁の配置と立体としての屋根の形状を,4軸と正方形の中心に関する対象性で調べることである。この対称性システムを介して制御された要素間の関係によって,平面における建築的表現が達成される。これらの原理が適用される要素として,「開口部配置」,「壁の配置」,「屋根形状」を考えた。屋根は4つの立面の一部であり,また壁配置が必要な立体を構成する要素である。この点において,屋根形状は,立面における開口部配置の条件,および平面における壁の配置(図1)の条件である。開口部配置は開口部のタイプ,位置,および開口部間の相互関係(表2,3,4)の組合せから考えられる。壁の配置は,分割の手段,等価分割としてのレイアウト,および主室の位置(表5,6,7)の組合せから考えられる。屋根の形状は,庇の形状と屋根上の要素(表8,9)の位置の組合せから考慮される。考察を通して,各要素のパターンを定義した(表10,11,12)。要素のそれぞれの配置と形状は,正方形の特殊性によって与えられる,等しい4つの側面と4つの軸の間の関係を作り出す。この点から検討した結果として,4つの側面と4つの軸との関係を図3としてまとめた。[4]における要素パターンは,4つの側面と4つの軸を等しく保った。[2O]は2つの対向側面と2つの対向軸の対称性を保つ。[2n]は,コーナーを強調して,2つの対角側面と1つの対角軸の対称性だけを保つ。[1]は中間点を強調して,3つの側面と1つの対向軸の対称性を保つ。また,4つの中間点,4つのコーナーおよび中心を強調した[4]における要素パターンを,[完全]配置および形状と定義した。[4]による要素パターンの組合せを検討することによって,正方形平面による住宅建築の9つの構成を定義できる(表13,図4)。これらの構成とVilla Rotondaの構成を比較し,以下のような,構成における修辞性を明らかにした;[完全性=Rotonda],[完全要素による表現],[部分的関係による統一],[完全要素による制御された差異][部分的関係間の対比]。[図5](翻訳著者抄録)