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J-GLOBAL ID：201902265616307476   整理番号：19A0768074

冬季日本海側における高空間線量率事象の解析

Analysis of a High Air Dose Rate Event during Winter on the Coast of the Sea of Japan

著者 (4件)： 永井英志 (名古屋大学大学院工学研究科) ,  山澤弘実 (名古屋大学大学院工学研究科) ,  森泉純 (名古屋大学大学院工学研究科) ,  平尾茂一 (福島大学環境放射能研究所)
資料名： 保健物理(Web)  (Japanese Journal of Health Physics (Web))
巻： 53  号： 4  ページ： 219-229(J-STAGE)  発行年： 2018年 
JST資料番号： U1378A  ISSN： 1884-7560  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ラドン壊変生成物の湿性沈着に起因していると報告された2015年12月17日の六ケ所村で観測された高環境線量率について,その空間分布を描き,0.151μGy/hというこれまでにない高線量率上昇のメカニズムを理解するために解析した。高線量率は日本の本州の日本海側で広く観測され,降水量が少なく上昇がわずかである地域を含むことが示された。また,大きな上昇は,約3mm/hを超える降水強度に対応することが示された。しかし,この値を超える降水事象は,必ずしも線量率の大きな上昇に対応しなかった。長距離大気輸送モデルおよび天気図を用いた解析によると,原因となる²²²Rnは中国の北東部およびシベリアの南東部から輸送され,そこでは,1から2km深の高濃度空気層を形成するよう,²²²Rnを鉛直方向に輸送する寒冷低気圧が存在した。この空気層は,²²²Rnの著しい壊変なしに,冬季季節風によって日本に輸送された。この解析において,その大気層が存在したときに,かなりのレベルの降水量が発生した場所で,大きな線量率の上昇が観察されたことが分かった。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *線量率 ,  *放射線モニタリング ,  *娘核種 ,  湿性沈降 ,  *降水量 ,  *モデル ,  青森県 ,  沿岸 ,  冬 ,  季節風 ,  高層大気 ,  低気圧 ,  *濃度分布 ,  *天気図 ,  生成物
準シソーラス用語： *空間線量率 ,  *ラドン娘核種 ,  湿性沈着 ,  *大気輸送モデル ,  六ケ所村 ,  日本海沿岸 ,  冬季 ,  壊変生成物

著者キーワード (12件)： 空気線量率 ,  モニタリング ,  ラドン崩壊生成物 ,  湿式堆積 ,  降水 ,  大気輸送モデル ,  空気線量率 ,  モニタリング ,  ラドン崩壊生成物 ,  湿式堆積 ,  降水 ,  大気輸送モデル

分類 (1件)： 環境の汚染及び防止  (MB02030K)

引用文献 (12件)：

• 1) Aomori Prefecture; Nuclear facility environmental radiation survey report (Third quarter report 2015).
• 2) Y. INOMATA, Y. IGARASHI, M. CHIBA, M. AOYAMA, K. HIROSE, et al.; Estimate of return periods for enhanced gamma ray dose rates due to precipitation, Jpn. J. Health Phys., 42, 63-70 (2007) (in Japanese).
• 3) J. F. MERCIER, B. L. TRACY, R. D'AMOURS, F. CHAGNON, I. HOFFMAN, et al.; Increased environmental gamma-ray dose rate during precipitation: a strong correlation with contributing air mass, J. Environ. Radioact., 100, 527-533 (2009).
• 4) H. YAMAZAWA, M. MATSUDA, J. MORIIZUMI and T. IIDA; Wet deposition of radon decay products and its relation with long-range transported radon, proceedings of 8th international symposium on the natural radiation environment, AIP Conf. Proc., 1034, 149-152 (2008).
• 5) H. LIU, D. KONDO, M. MATSUDA, S. HIRAO, J. MORIIZUMI and H. YAMAZAWA; On the characteristics of the wet deposition process using radon as tracer gas, Radiat. Protec. Dosim., 160, 83-86 (2014).

タイトルに関連する用語 (5件)： 冬季 ,  日本海 ,  空間線量率 ,  事象 ,  解析