抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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岐阜県南部のヒノキ人工林において,下層植生の植被率と優占種によって分類した従来の下層植生タイプ(シダ型,草本型,低木型,貧植生型)にササ型を追加し,これらの表土流亡の抑止効果を再序列化した。ササ型はシダ型に比べ高標高に出現し,光条件が悪化した林床にも出現する可能性が示された。表土流亡の危険性の間接的指標である土壌侵食危険度指数は,全植被率合計が高い林分で小さい傾向が認められた。一方,ササ型の林分では,全植被率合計が草本型や低木型と同程度であったが,土壌侵食危険度指数はそれらの林分より小さかった。ササ型は草本層の植被率合計が高く,葉層とリター層が重層的に地表面を被覆していることから,表土流亡が発生しにくいと推測される。したがって,ササ型をヒノキ人工林下の下層植生タイプとして独立させることは有効である。ササ型を加えると,土壌侵食危険度指数には小さい順にシダ型<ササ型<草本型≦低木型≦貧植生型の序列が認められた。この結果は,下層植生による表土移動量の評価手法の汎用性を高めることに貢献する。(著者抄録)