抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2016年の夏季に,日本の関東地方周辺で,地上,可視光カメラによって,14事例のJumping Cirrus(JC)が観察された。これらのカメラは,富士山頂と防衛大学校(神奈川県)に設置されており,15秒間隔のコマ撮り写真撮影が継続的に行われていた。JCの位置と空間規模は,夜間の背景星の測光を用いた測定と静止気象衛星ひまわり8号の赤外画像を用いて計算した。JCの環境条件はまた,ラジオゾンデとひまわり8号の可視および赤外の測定結果を用いて調査した。我々の事例とアメリカ(USA)の三次元非静水圧雲モデルにより再現した以前の研究によるJCとの比較により,それらの運動,形態,空間及び時間スケールは類似性を示したが,JCの水平スケールとその下での対流の大きさは我々の事例で比較的小さかった。暴風の近傍におけるラジオゾンデによる観測は,14事例のうちの3つが成層圏に達したことを示した。しかしながら,成層圏下層の水和は,ひまわり8号によって測定された6.2と10.4μmの間の輝度温度差(BTD)の分析によって支持されなかった。アンビル上の跳躍高さの範囲での平均風シアは-1.1ms
-1km
-1であった。14事例の対流有効ポテンシャルエネルギー(CAPE)の最大値は1384Jkg
-1であり,以前の米国の数値JC研究において観測された雷雨での事例のそれらより数倍小さい。このことは,対流が比較的弱いとしても,JCが積乱雲のアンビル上から生じることを示している。可視光カメラによって観測されたJCの運動は,雲氷が昇華されるように見えるように,高度に関係なく対流雲のアンビル頂部上の水分を輸送できることを示している。(翻訳著者抄録)