抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,2011年東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日14時46分に発生,Mw9.0)前後の東北日本における応力場及び地震活動の時空間変化を地震の発震機構及び地震発生回数の変化に基づいて考察した。具体的には,本震時に断層が大きくすべった領域とその周辺領域を含む北緯35°~41°,東経139°~145°の範囲で2001年3月11日14時46分~2016年3月11日14時46分の15年間に発生した地震について,気象庁が公開しているP波初動発震機構解及びCMT解に基づいて各地震の主圧縮軸または主張力軸をプロットした主軸分布図と東西鉛直断面震源分布図,地震発生頻度分布図を時空間ごとに分けて作成し,それらに基づいてその変化を調べた。その結果,主に以下のことが明らかになった。まず,本震後に全ての領域において本震前より地震が増加したが,特に本震時に断層が大きくすべった領域の陸側部分では地震前に太平洋プレートにより引きずり込まれていた陸側プレートが本震時に東西に伸びたために正断層型の内陸地震が多発するようになったこと,また日本海溝付近の太平洋プレート浅部でも正断層型の地震が多発するようになったことである。逆に,太平洋プレートのスラブ深部では圧縮力が作用して逆断層型の地震が増加したこともわかった。一方,本震時に断層が大きくすべった領域の周辺の日本海溝付近では,本震前はほとんど地震活動がなかったにもかかわらず本震後は逆断層型の地震が発生するようになり,特に北側の領域では本震後5年程度経過した時点でも逆断層型の地震が発生し続けていることがわかった。(著者抄録)