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J-GLOBAL ID：202002247922889740   整理番号：20A1160007

高Si含有中炭素マルテンサイト鋼の機械特性に及ぼすFe炭化物の影響

Influence of Iron Carbide on Mechanical Properties in High Silicon-added Medium-carbon Martensitic Steels

著者 (8件)： 寺本真也 (日本製鉄(株)室蘭技術研究部) ,  寺本真也 (北海道大学大学院工学院) ,  井村政仁 (北海道大学大学院工学院) ,  増田優起 (北海道大学大学院工学院) ,  石田倫教 (北海道大学大学院工学院) ,  大沼正人 (北海道大学大学院工学研究院) ,  根石豊 (日本製鉄(株)室蘭技術研究部) ,  鈴木崇久 (日本製鉄(株)八幡技術研究部)
資料名： 鉄と鋼
巻： 106  号： 3  ページ： 165-173(J-STAGE)  発行年： 2020年 
JST資料番号： F0332A  ISSN： 0021-1575  CODEN： TEHAA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 2mass%Siを含む中炭素鋼を用いて,その機械特性に及ぼす焼戻しマルテンサイト微細構造の影響を調べた。焼戻しマルテンサイトの引張強さは焼戻し温度の上昇と共に連続的に減少し,その降伏強さは673Kから723Kの焼戻し温度範囲で著しく減少することを見出した。微細構造との相関を調べるために,SEMとTEMにより微細構造に及ぼす焼戻し温度の影響を調べ,TEMナノビーム回折パターン解析とX線回折によりFe炭化物相を同定した。降伏強さが著しく減少する焼戻し温度範囲では,マルテンサイトブロック内に析出したε炭化物の形態は板状から粒状に変化し,723Kで焼戻した試料では少量のχ炭化物が析出した。ε炭化物のSAXS定量評価は,焼戻し温度の上昇に伴うε炭化物のサイズと体積率の減少は,673K以下で焼戻した試料よりはるかに大きいことを明らかにした。降伏強さの急激な減少は,Fe炭化物の変態過程におけるε炭化物の溶解に起因する,析出物体積率の減少による転位の移動度の増加と相関することを示唆した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 中炭素鋼 ,  ケイ素含有合金 ,  *マルテンサイト鋼 ,  マルテンサイト ,  微細構造 ,  *炭化物 ,  鉄化合物 ,  *機械的性質 ,  降伏強さ ,  引張強さ ,  温度依存性 ,  ε相 ,  χ相 ,  小角X線散乱 ,  X線回折分析 ,  析出物 ,  応力歪曲線 ,  応力歪特性
準シソーラス用語： 焼戻マルテンサイト ,  微細組織 ,  SAXS【散乱】

著者キーワード (14件)： 中炭素鋼 ,  焼戻マルテンサイト ,  カーバイド ,  降伏強さ ,  顕微鏡 ,  小角散乱 ,  X線回折法 ,  中炭素鋼 ,  焼戻マルテンサイト ,  カーバイド ,  降伏強さ ,  顕微鏡 ,  小角散乱 ,  X線回折法

分類 (2件)： 機械的性質  (WB02030U) ,  組織的硬化現象  (WB01020C)

引用文献 (21件)：

• 1) D.P. Antia, S.G. Fletcher and M. Cohen: Trans. Am. Soc. Met., 32(1944), 290.
• 2) B.S. Lement, B.L. Averbach and M. Cohen: Trans. Am. Soc. Met., 46(1954), 851.
• 3) K.H. Jack: J. Iron Steel Inst., 169(1951), 26.
• 4) Y. Hirotsu and S. Nagakura: Trans. Jpn. Inst. Met., 15(1974), 129.
• 5) D. Meinhardt and O. Krisement: Arch. Eisenhüttenwes., 33(1962), 493.

タイトルに関連する用語 (6件)： Si ,  炭素 ,  マルテンサイト鋼 ,  機械特性 ,  Fe ,  炭化物