抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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エレクトロクロミック分子の発色特性を革新するチタニア/有機メソ構造体の創製について評価・考察した.先ず,チタニアメソ構造体の創製において,チタニア/オクタデシルアミン(ODA)複合ナノ粒子膜からの界面活性剤の除去プロセスに関して,ベーク処理法(250°C),溶媒抽出法,及び,それらの組み合わせ法を施して評価・考察した.これらのアプローチによってODAを除去した粒子膜は,BET比表面積が145~345m
2/gの高比表面積を示しており,ナノ多孔質構造膜であることが判明した.また,ODA除去プロセスが膜の表面構造と結晶性へ寄与することがわかった.次いで,2種類のODA界面活性剤除去プロセスによって創製された膜に吸着したメチレンブルー分子の状態を評価し,発色特性を考察した.その結果,溶媒抽出法によって創製されたチタニア膜に吸着したメチレンブルー分子はモノマーとダイマーの両方が存在しており,ベーク処理の場合ではモノマーが主であることが分かった.つまり,チタニア膜への吸着状態は,界面活性剤除去プロセスによってナノ多孔質表面に形成する官能基に依存する可能性を見出した.さらに,チタニア膜に吸着したメチレンブルー分子の発色効率はメチレンブルー分子単体の溶液に比べて発色効率が高く,ベーク処理のチタニア膜に吸着したメチレンブルーの発色効率は,溶媒抽出法の場合に比べて高いことが分かった.以上により,チタニア/有機メソ構造体の創製プロセスによって,エレクトロクロミック分子の発色特性を制御できる可能性を初めて見出した.(著者抄録)