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J-GLOBAL ID:202002249833830899   整理番号:20A1717317

羊膜類の胚では細胞内pHが解糖系の下流でWNTシグナルを制御する

Intracellular pH controls WNT downstream of glycolysis in amniote embryos
著者 (18件):
資料名:
巻: 584  号: 7819  ページ: 98-101  発行年: 2020年08月06日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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脊椎動物胚の体幹部の形成は,尾芽から後方組織を連続的に追加することで進行する。このような体軸伸長を制御する尾芽および後部未分節中胚葉の細胞では,高レベルの好気的解糖が見られ,これはワールブルク効果を示すがん細胞の代謝状態に似ている。尾芽の解糖系の活性は繊維芽細胞増殖因子(FGF)シグナルの下流にあり,WNTシグナル伝達経路を制御する。WNTシグナル伝達経路は,尾芽の神経・中胚葉共通前駆体での神経分化を犠牲にした中胚葉分化の促進によって,体軸伸長を制御することが知られている。しかしながら,解糖系が尾芽においてWNTシグナル伝達経路を調節する仕組みについては分かっていなかった。今回我々は,ニワトリ胚の尾芽細胞と,ヒト誘導多能性幹細胞(iPS細胞)からin vitroで分化誘導した尾芽様細胞でpHを調べた結果,これらの細胞では,細胞外pHが低下する一方で細胞内pHは上昇するという,がん細胞のように細胞内外のpH勾配が反転した状態が見られたことを示す。このような細胞の状態は,解糖系がモノカルボン酸共輸送体を介して,プロトンと共役した乳酸の排出を促すことで可能になると示唆される。この現象によって上昇した細胞内pHは,WNTシグナルの下流にあるβカテニンの非酵素的アセチル化修飾反応に適した化学的環境を作り出す。アセチル化されたβカテニンは神経分化ではなく中胚葉分化を促進し,これが最終的に中胚葉におけるWNTシグナル伝達経路の転写標的を活性化して,尾芽前駆体での沿軸中胚葉の運命を決定する。我々の研究は,一部の腫瘍細胞は胚発生の代謝プログラムを再活性化するという考え方を支持している。Copyright Nature Japan KK 2020
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分類 (1件):
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発生と分化 

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