抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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平成28年熊本地震は熊本県内の広い範囲で地盤に液状化を引きおこし,一部の野菜栽培施設ではトマトなど栽培中の作物に生育停滞や収穫量減少などの被害をもたらした。このような被害が次作以降も起こりうるか,営農の再開に向け液状化が施設栽培土壌に及ぼした影響を明らかにすることは重要である。そこで,施設や作物への被害が発生した施設ほ場において液状化が土壌の化学性や物理性に及ぼした影響を調査した。施設内の液状化が発生した部分で,土壌中の砂の割合が増加する施設や透水性が低下する施設が一部で確認されたが,液状化の発生部分と地震の影響を受けなかった部分では作土の化学性,砂の重量割合,土壌透水性に作物の生育に影響するような大きな差はなかった。液状化に伴って発生する噴砂の量と質は,地震や発生地域によって異なり,将来起こりうる大規模地震に伴う液状化の発生については,噴砂を農地にそのまますき込んで良いかどうかの判断が求められることになる。そのためには噴砂の発生量や化学的,物理的性質を速やかに評価することが重要になると考えられた。(著者抄録)