抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ジオポリマー(GP)は,製造プロセスで大量の二酸化炭素ガス(CO
2)を排出するセメントを使用せずに硬化できる新しくて環境に優しい材料として注目されている。GPは,主に非晶質のケイ酸アルミニウムから成る活性フィラーとアルカリ溶液間の化学反応によって製造される。フライアッシュ(FA),メタカオリン,高炉スラグ微粉末(BFS),下水汚泥焼却灰,および籾殻灰を活性フィラーとして使用した;一方,水酸化ナトリウム溶液,水酸化カリウム溶液,水ガラス,炭酸ナトリウム溶液および炭酸カリウム溶液をアルカリ溶液として使用した。以前の研究によると,GPは,普通ポルトランドセメントから作られたコンクリートのそれと同水準の圧縮強さを有することができる。さらに,GPは,セメントコンクリートと鉄筋に対して一般に高い付着特性を示し,火災と酸侵食に対して高い抵抗性を有する。したがって,GPはコンクリート構造物の補修材として効果的に使用されることが期待される。本研究で著者らは,主粉末の1つとしてシリカフューム(SF)を用いることによって,GPをひび割れ補修材としてさらに開発することを目的とした。SFは粒径が0.1~10μmの超微細粒子材料であり,一方,セメント,FA,BFSなどの一般的無機材料のサイズは約10μmである。SFを主粉末とするGPの製造は,良好な注入特性を提供できると期待される。ひび割れ補修材としての特性に関して研究を行う前に,初期段階として,SFを用いたGPの基本特性すなわち,混合性能,流動性および圧縮強さに関して研究を行った。次に,FAを有するGPのベース材料としての特性と,SFおよびBFSで置換した特性とを議論において比較した。その結果,SFの置換が増加すると,混合が困難になり,GPペーストの流動性は低下して,次にワーカビリティが失われることが観察された。これはSFの大きな比表面積に起因すると考えられる。さらに,SFを含む硬化後GPペーストは,SF無しの試料と比較して,体積膨張とより低い圧縮強さを示した。これらの現象は,SF含有量の置換率の増加およびBFS置換率の40%以下への減少と共に顕著になる。体積膨張は主にGP中のH
2ガスの生成に起因すると考えられる。(翻訳著者抄録)