抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
かつて菊地ら(2008)は,中学生の粒子概念の理解度が高くないことを示した.本研究では,菊地ら(2008)による研究から10年以上が経過した今,現代の中学生の粒子概念の理解度は向上しているのか否かを明らかにすることを目的とした.そのため,先行研究と同じ調査問題を用いて,調査を行い,菊地ら(2008)のデータとも比較した.実施に当たっては,菊地ら(2008)と同様,調査対象者を2群に分け,調査群Iと調査群IIとし,回答を収集した.両者の違いは,問題数と一部問題の説明文や回答方法の違いである.中でも注目するのは調査群Iの第4問と調査群IIの第2問の比較である.前者には粒子についての情報が含まれているが,後者にはない.その結果,次の3点がわかった.(1)本研究の調査群Iと調査群IIの比較では,調査群Iの方が高かった.(2)本研究の調査群Iと菊地らの調査群Iの比較では,差はなかった.(3)本研究と菊地らの調査群IIの比較では,本研究の方が高かった.問題に粒子の情報が無くても,本研究の生徒の方が正答が多い.このことから,10年ほど前の中学生と比べ,現代の中学生の方が,粒子概念の理解度が高いことが明らかになった.(著者抄録)