抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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薩摩半島南部の海岸沿いに,阿多火砕流堆積物の粗粒岩相が分布する.この粗粒岩相は他地域に露出する阿多火砕流堆積物と比べ粗粒な岩片に富み,石質岩片に富む部分では非溶結を呈し,本質岩片に富む部分では溶結している.粗粒岩相をもたらした火砕流の流動堆積機構に制約を与えるために,地質調査を行い粗粒岩相の岩相や分布を把握した.その結果,粗粒岩相は岩相1~3に細分され,それらは上下方向に漸移的に重なっており,粗粒岩相が一連の噴火で形成されたことを示唆する.岩相2は基底部以外の層準にも見られ,層厚が側方変化するため,岩相2をもたらしたフローユニットは火砕流内部にレンズ状に存在したことを窺わせる.含まれる岩片の残留磁化測定から粗粒岩相の定置温度は,590°C以上の高温定置であったと推定された.この結果と岩相2の産状から,石質岩片までも高温定置させるほどの熱の保持に,高密度な火砕流内部が寄与したと結論された.(著者抄録)