抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本語の食事のメニューには海外からの影響・外来語の影響が大きい。しかし,近年ファミレスなどで人気の「チーズインハンバーグ」をそのまま英語で“cheese in hamburg”/“cheese in hamburger steak”と表記しても英語としては意味が通じない。日本語で「サンド」といえば,「サンドイッチ」を意味することも多いが,日本語の「ホットサンド」を英語で表現したつもりで“hot sand”と表記しても,砂漠で陽に照らされた灼熱の砂を想起することはあっても,“toasted/grilled sandwiches”を想起することは難しいであろう。ところが,飲食店のメニューに“hot sand”のような表記が見られるだけでなく,googleで検索すると店名・調理器具の商品名などにも“hot sand”ないし“hotsand”といった表記が見られるのが現状である。最近のYouTubeでは“tamago sandos”や“boiled egg salad sandos”のような“sando”の表記で,日本の「サンド」に言及しようとする英語表現も見られるようになってきた。ここには,英語→外来語としてのカタカナ語→短縮語→日本語固有の表現→日本語由来の借用語として英語に,というような言語接触・言語間交渉の流れが見られる。日本の料理・菓子などには茶道の影響などから独特の「銘」の使用があり,「氷室」や「岩うつ波」をそのまま英語に訳しても何も伝わらない可能性が高い。本発表では,料理名をひとつのきっかけとして,英語と日本語との適切な交渉の在り方について若干の考察を試みる。(著者抄録)