抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,重度肢体不自由者(PWD)の家庭における生活に関する住宅条件を調査した。旧来の日本の福祉システムの文脈の中で,多くのPWDは,彼らの両親の保護または施設のいずれかで生活している。最近,国の新しい福祉システムは,介護者をPWDのために提供し始め,両親と別れて生きることを可能にした。しかし,政府はまだ,家庭でのPWDの住宅条件を改善するためのシステムを開発していない。本論文は,PWDに対するアンケート調査を通して,PWDを取り囲む住宅環境の重要性を示した。195人のPWDの回答を,カイ二乗分析によって分析した。回答者は居住タイプに基づいて次の3つのタイプに分類した:両親と一緒に生活する,両親と別れて自身の住宅に居住する,または両親から離れて賃貸住宅に住んでいた。これらの住宅タイプの特性をアンケート調査の結果に基づいて定義した。彼らの両親と一緒に居住するか,賃貸住宅に居住する回答者は,障害の程度と生活条件に関して多くの側面で類似している。これらのタイプは,障害の程度に関し,住宅を所有して住んでいるタイプとは異なっていた:即ち,彼らが障害少年または障害成人として登録しているか,障害の原因が事故または病気であるかどうかに依存していた。さらに,これらの側面は,PWDの経済状況に影響し,それは,次に,住宅所有に影響する。本研究は,PWDの住宅所有が障害の程度に関連することを示した。また,住宅所有は物理的住宅環境とも関連している。アクセスしやすい住宅の比率は,賃貸住宅よりも所有住宅で高かった。民間賃貸住宅の物理環境は,公共賃貸住宅よりもPWDに対して適応性が低い。アンケート調査結果は,3つの側面でPWDが家庭で快適に生活できることを明らかにした:住宅が車椅子アクセスのための十分な幅の通路を持ち,屋内に段差が無く,車椅子で道路から玄関まで移動できる。結論として,住宅条件はPWDの屋内生活に大きく影響する。しかし,PWDが彼らの親から離れて生きることを可能にする現在の住宅政策は不十分であり,アクセスしやすい民間賃貸住宅は少ない。したがって,本研究がPWDの住宅条件の改善に寄与することが希望される。(翻訳著者抄録)