抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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SDGsの第15目標には,森林の多面的機能に対する直接的な言及がある。持続可能な社会を実現する人材育成という観点から,森林・林業を専門に学ぶ高校生を対象にした環境教育の実践は特に重要である。本研究では高等学校農業科と協働し,カーボン・オフセットを題材とした新たなSDGs環境教育プログラムを開発した。質問紙調査および最終レポートの分析により,本プログラムの意義を下記のように結論づけた。(1)SDGsに関する講義によって,生徒は持続可能な社会の実現に対する基本的な知識を学習し,SDGsの各目標についての興味関心を向上させることができた。(2)地球温暖化に関する講義によって,生徒は気候変動の現状や要因となる温室効果ガスの専門的な知識を身につけることができた。(3)家庭および学校の電気・ガス・水道の使用による二酸化炭素排出量を試算し,削減ポイントを考察したことで,生徒は地球環境問題とのつながりを認識し,地球環境問題に対する「危機感」,「責任感」,「有効感」が向上した。さらに,「環境に対する行動意図」として省エネルギーやフードロスの減少など,生徒の身近で実施できる対策に対する意欲が向上した。(4)森林に関する講義によって,二酸化炭素吸収による地球環境保全機能について学習した。さらに,森林吸収クレジットを利活用したカーボン・オフセットやJ-クレジット制度について理解し,環境問題の解決には経済的および社会的視点も関わっていることを認識した。(5)本プログラムで適合性をもたせたSDGs第15目標,第13目標,第12目標以外にも,生徒の興味関心に応じて各目標への達成意欲が確認された。(著者抄録)