抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一般に,一定の時空間領域における地震のマグニチュード別頻度分布はGutenberg-Richterの式と呼ばれる直線でよく近似することができることがわかっているが,この直線の傾きを表すのがb値である。先行研究において,このb値は時空間的に変化するという報告が多数あり,地下の応力状態を表す重要なパラメータの一つであると考えられている。そこで,本研究では,2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)の本震を基準にして,その10年前から6年後までの16年間(2001年3月11日~2017年3月11日)について,気象庁一元化地震データを用いてb値の時空間変化を詳しく調べた。その際,東北日本の本震域とその周辺域について6つの空間領域を設定し,それぞれの領域に対して1年または2年ごとの期間を3カ月ずつずらしながらb値を求めた。その結果,本震域だけでなくその周辺領域の多くでも本震前後におけるb値の特徴的な変化が見られた。本震域では本震の直前にb値が大きく減少したが,震源域とその周辺領域ではb値の変化の現れ方に差異があることもわかった。(著者抄録)