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J-GLOBAL ID：202002290132204490   整理番号：20A2540927

2019年8月24日福島県いわき市で発生した落盤を誘因とした斜面変動 (速報)

Prompt report on the roof falling induced slope movement on August24, 2019 in Iwaki City, Japan

著者 (6件)： 佐藤剛 (帝京平成大学大学院環境情報学研究科) ,  八木浩司 (山形大学地域教育文化学部) ,  新田邦弘 (株式会社地質基礎) ,  梅村順 (日本大学工学部) ,  三瓶和法 (国土防災技術株式会社) ,  熊井直也 (国土防災技術株式会社)
資料名： 日本地すべり学会誌  (Landslides)
巻： 57  号： 4  ページ： 111-115(J-STAGE)  発行年： 2020年 
JST資料番号： S0392B  ISSN： 1348-3986  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 福島県,いわき市では,主要な県道(26号線)は,2019年8月24日の11:00pmに,丘陵斜面からの落石によって遮断された。この斜面変動は,豪雨や地震のような典型的なトリガー要因がイベント当日に発生しなかったという点で独特であった。2019年8月27日に斜面変動に関する緊急現場調査を行った。この結果は次の通りである。1)斜面移動は,中新世凝灰質砂岩と泥岩から成る山腹斜面で生じた。岩盤はよく発達した節理面と風化作用を有する。2)ブロック「a」と「b」は,表面斜面崩壊の形状を示した。斜面崩壊の変動方向は,地質構造,特に傾斜と走向によって制御された。ブロック「a」と「b」の上部に位置するブロック「c」は,沈降地形を示している。住民への聞き取り調査によれば,人工洞窟がブロック「c」の下に存在することが判った。3)斜面変動は,人工洞窟における落盤によって誘発されたブロック「c」の沈降を含むものであった。ブロック「a」と「b」の表層斜面崩壊は,ブロック「c」の沈下によって生じた。磨崖仏のそれは斜面変動の前にブロック「a」の斜面で発生した。写真から,この磨崖仏内とその周辺に小さな岩盤変位があることが判った。これらの地質構造は,岩盤内部の応力が,2019年8月24日の斜面移動の引き金となったことを示唆した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 福島県 ,  *天盤崩落 ,  *変動 ,  *斜面 ,  凝灰岩 ,  砂岩 ,  泥岩 ,  斜面崩壊 ,  応力 ,  *岩盤
準シソーラス用語： 岩盤応力 ,  斜面変動 ,  落盤

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分類 (1件)： 岩盤の力学的性質  (HE02000H)

引用文献 (9件)：

• 萩原育夫・佐々木猛・佐々木勝司・吉中龍之進 (2010) : 不連続面に着目した複合降伏モデルによる崩落斜面の地震応答解析, 岩盤力学に関するシンポジウム講演集, Vol.39, pp.328-333.
• いわき市文化財保護審議会 (2018) : いわき市の文化財, いわき市教育委員会, 295p.
• 川本朓万 (2005) : 地盤陥没災害と地下空洞調査について, 物理探査, Vol.58, No.6, pp.589-597.
• 大八木規夫・内山庄一郎・井口隆 (2008) : 「2004年新潟県中越地震による斜面変動分布図」の解説, 防災科学技術研究所研究資料, No.317, 37p.
• 佐藤剛・林一成・八木浩司・檜垣大助 (2015) : 2011年4月11日福島県浜通りの地震で引き起こされた地すべり・表層崩壊の分布特性, 日本地すべり学会誌, Vol.52, No.2, pp.80-84.

タイトルに関連する用語 (4件)： 福島 ,  いわき ,  落盤 ,  斜面変動