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J-GLOBAL ID:202102217318588392   整理番号:21A1888576

肥満症は幹細胞を中心とした収束機構により薄毛を加速させる

Obesity accelerates hair thinning by stem cell-centric converging mechanisms
著者 (18件):
資料名:
巻: 595  号: 7866  ページ: 266-271  発行年: 2021年07月08日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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肥満症は世界的に蔓延しており,多くの加齢関連疾患のリスクを高めるが,肥満症が器官の機能不全に及ぼす正確な影響についてはよく分かっていない。毛包(毛を成長させる小型の上皮器官)は加齢に伴って縮小し,毛包幹細胞(HFSC)の枯渇を介して脱毛を引き起こす。今回我々は,高脂肪食(HFD)などによって引き起こされる肥満誘発ストレスが,HFSCを標的として薄毛を加速させることを報告する。遺伝子発現の時系列解析から,若齢マウスにHFDを4日間連続して与えると,活性化されたHFSCは,活性酸素種が過剰に生成されることによって表皮角質化に向かうが,HFSCのプールは減少しないことが明らかになった。幹細胞の運命追跡,エピジェネティクス,逆遺伝学を用いた統合的な解析により,さらにHFDの摂食を続けると,オートクリンおよび/またはパラクリンのIL-1Rシグナル伝達を介してHFSC内で脂肪滴とNF-κBが誘導されることが分かった。これらの統合的因子が収束して,HFSCにおいてソニックヘッジホッグ(SHH)シグナル伝達の顕著な抑制が引き起こされ,その結果,脂質を蓄積したHFSCが分化異常によって枯渇し,毛包が縮小して最終的に脱毛が誘導される。逆に,トランスジェニックや薬理学的手段によってSHHを活性化すると,HFD誘発性の脱毛が救済された。まとめるとこれらのデータは,肥満症によって誘導される幹細胞の炎症性シグナルが,器官再生シグナルをロバストに抑制して小型器官の縮小化を加速することを実証しており,器官機能不全を日常的に予防することの重要性を示唆している。Copyright Nature Japan KK 2021
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造血系 
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