抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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豪雨時の斜面崩壊の発生には,土中水分量が大きく影響する.筆者らはこれまでに,融合粒子フィルタを用いて,現地計測データに基づく水分特性曲線と飽和透水係数の推定を行ってきた.既往の研究では,1次元解析モデルを仮定して,モデル底面の境界条件を自由排水境界とすることで不飽和状態における浸透挙動の再現を試みてきた.しかし,平成30年7月豪雨時には現地斜面において地下水位が発生し,土中水分量を解析によって適切に再現できなかった.本研究では,タンクモデルを参考にして,1次元解析モデルにおける底面の境界条件に関するパラメータとして浸透係数βを導入したデータ同化方法を提案し,数値実験と現地計測データを用いたデータ同化の2つの事例を通じて,提案したデータ同化方法の有用性について議論した.その結果,本研究で提案したデータ同化方法は,現地計測データに基づく浸透解析モデルの推定において有用であることが分かった.(著者抄録)