抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ユーモアを取り入れた数学教育に関する研究では一般的にユーモアが数学学習における生徒の情意的経験を向上させることを期待し文章題問題を解釈する複数の方法を提供するが,本研究では真正な数学的活動でのユーモアの認知的役割を検証し,そこにおいて比較的特殊な数学問題からより一般的な数学問題を生成する。特に,本研究は中学校教育でユーモアを意図的に取り入れた数学の授業におけるユーモアの認知的役割を明らかにした。ユーモアの不一致理論を理論的枠組みとして適用し,多角形の内角の和を求める中学2年生の数学的活動を分析した。最初の仮定が異なっていても同じ数学的結論になることを生徒自身が発見していることが観察された。ユーモアを数学教育に取り入れることで少なくとも3つの効果があることがわかり,それはユーモアが1)数学的な問題を解く際の思考の自由性を保障し,2)教師と生徒の間の教授学的契約を更新し,3)生徒達の批判的思考力を高めることである。そのため,ユーモアは生徒の真正な数学的活動の実現に貢献するという結論を得た。今後の数学教育研究への示唆として,ユーモアと数学を結びつけるためにどのような教室文化が出現しうるかを探る必要性を指摘する。(翻訳著者抄録)