抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
【背景】低酸素誘導因子-1(HIF-1)は,炎症および低酸素疾患において,重要な調節的役割を果たす。慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺においてより高いHIF-1レベルが見出されたが,タバコ煙(CS)誘発COPDにおけるその役割は完全には研究されていない。ジゴキシンはHIF-1翻訳を阻害し,HIF-1活性を阻害し,HIF-1阻害剤としてしばしば使用される。したがって,本研究では,HIF-1がCOPDの進行および可能な機構に寄与するかどうかを調べるために,阻害剤としてジゴキシンを選択した。【方法】CS曝露マウスをジゴキシンの異なる用量で胃内投与し,気道における肺,炎症,肺機能および粘液分泌における病理学的変化のようなCOPD関連表現型を評価した。一方,CSE処理A549細胞をジゴキシンまたはS7959を投与した。さらに,HIF-1TGF-{β}1Smad3シグナル伝達経路と共にEMT関連マーカーをin vivoおよびin vitroの両方で検出した。【結果】HIF-1のレベルは,COPDマウスおよびCSE曝露A549細胞の肺において有意に増加し,それはジゴキシンによって著しく抑制された。さらに,ジゴキシンは,COPDマウスモデルにおけるCS誘発炎症反応,肺機能低下,および粘液過分泌を阻害した。in vitro研究では,ジゴキシンはCSE誘導炎症性サイトカイン放出を減少させた。重要なことに,CS誘導またはCSE誘導EMTおよびHIF-1/TGF-{β}1/Smad経路の上方制御はジゴキシンにより阻害された。さらに,S7959はA549細胞においてCSE誘導EMTを軽減した。【結語】ジゴキシンは,CS誘発COPDを保護し,おそらくHIF-1/TGF-{β}1/Smad3シグナル伝達経路を通してCS誘発EMTを防ぐことができる。本研究は,HIF1がCOPD予防と治療,特にCS誘発COPDにおけるEMTに対する潜在的介入標的であることを示唆する。【JST・京大機械翻訳】