抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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受容体チロシンキナーゼ遺伝子RETは腸神経系(ENS)発生時の腸神経冠由来細胞(ENCDC)の運命特異化において重要な役割を果たす。機能(LoF)対立遺伝子の病原性RET喪失は,胃腸(GI)路の無神経節症によりマークされるHirschsprung病(HSCR)と関連する。ENCDCは発生中のGI管に侵入し,増殖し,尾側に移動し,主要なENS細胞型の全てに分化する。発生中のENSにおけるRet LoFからの主要な表現型結果および根底にある転写変化は記述されているが,その細胞型および状態特異的な効果は知られていない。その結果,著者らは,胚日(E)12.5およびE14.5でRetヌルヘテロ接合体およびホモ接合マウス胚の発育中のGI管から分離したENCDCの豊富な集団で単一細胞RNA配列決定(scRNA-seq)を行った。4つの重要な知見を示した。(1)Ret-発現ENCDCは,ENS前駆細胞およびグリアと神経のコミット細胞からなる異質な集団である;(2)主に抑制性運動ニューロン発生軌跡に係わるニューロンは,Ret LoFの下では生産されず,大部分は興奮性運動ニューロン発生プログラムを残す。(3)HSCR関連およびRet遺伝子調節ネットワーク遺伝子は,Ret LoFにより影響を受けた発現により,Ret発現ENCDCを通して異なる発現パターンを示した。(4)Ret欠損は,増殖するENS前駆体の数の早熟な分化と減少をもたらす。本結果は,Retが阻害性ニューロンサブタイプの特異化,ENS前駆細胞の細胞周期動力学,および神経とグリアのコミットメントの発生タイミングを含む,ENSの適切な発達に関連する複数の異なる細胞表現型に寄与するモデルを支持する。Summary StatementRet LoFは,ニューロン運命電位の制限,ENCDC移動の破壊および前駆体増殖率の調節を含む,複数の異なる細胞表現型を介し,マウスENSの適切な発達に影響する。【JST・京大機械翻訳】