抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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炭水化物-レクチン相互作用は,ウイルスおよび細菌感染,炎症および腫瘍転移を含む重要な細胞認識過程に関与する。したがって,レクチン合成グリカン複合体の構造研究はレクチン認識過程の理解と糖-レクチン相互作用を妨害する有望な化学療法のさらなる設計に必須である。植物レクチンは分子認識プロセスの研究のための優れたモデルである。それらの中で,ピーナッツレクチン(PNA)は,{β}-ガラクトシドに対する特異性のため,糖生物学分野で高度に関連しており,よく知られた腫瘍関連炭水化物抗原であるThomsen-Friedenreich(TF)抗原に対する高い親和性を示す。この特異性を考えると,PNAは腫瘍細胞表面O-グリカンの認識のための最も頻繁に使用される分子プローブの1つである。このように,種々の{β}-ガラクトシドおよび{ベータ}-ラクトシドリガンドによる阻害研究に対し,グリコ生物学で広く使用されてきた。ここでは,PNAの結晶構造を,6つの新規合成加水分解的に安定な{ベータ}-N-および{ベータ}-S-ガラクトシドとの錯体で報告した。これらの錯体は,計算シミュレーションと共に,原子レベルでPNAへの異なる糖の鍵となる分子結合相互作用を明らかにし,蛋白質-リガンド認識における特異的水分子の役割を明らかにした。さらに,等温滴定熱量測定で測定した結合親和性研究は,二価化合物の場合の親和性に関して正のグリコシドクラスタ効果と同様にマイクロモル範囲の解離定数値を示した。まとめると,本研究は,レクチン媒介生物学的過程の研究用に設計された最適化グリコクラスタの合成の定性的な構造的根拠を提供する。PNAによる{β}-N-および{β}-S-ガラクトシドの認識の理解は,それらがO-結合グリコシドのファミリーに属する新規合成リガンドであるので,蛋白質-炭水化物相互作用におけるベンチマークである。【JST・京大機械翻訳】